関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi
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谷よう子の企画、出演、振付による「Yokos〜o! Birthday!」

 谷よう子は鹿児島出身で20歳の時に海外に渡った。ミツヴァテクニックを習得し、ドイツを中心としてフリーランスのダンサーとして活躍。昨年、シルクドソレイユの北米ツアーにソロダンサーとして参加した。最近では、フォーサイスの下でフランクフルト・バレエのアシスタントディレクターだった、アントニー・リッツィーの公演にゲスト出演している。谷よう子が舞踊生活31周年の誕生日に、自身の企画、出演、振付による公演を行った。身体を壊した時に出会ったというミツヴァテクニックの動きを採り入れた振付を中心に、印象的な小品が踊られた。
『蕾時代』  

『YUKI』 『遠い国』

  中でも高崎バレエスタジオに振付けられた『蕾時代』は、速いテンポで美しいフォーメイションを描き、初々しく溌剌とした若さのエネルギーを鮮やかに感じさせる素敵な作品だった。また、苦しい時代に父母のために創ったという『遠い国』は、気取らず素直な気持ちがあふれるような感動的なソロである。最後にはダンスってこんなに楽しかったのか、と再認識させられた公演だった。
(6月11日、パルテノン多摩小ホール)


山田茂樹ソロ公演『「時男」〜イマココニイルコト〜』

 今年1月に始めて行われた山田茂樹ソロ公演『素の形』に続く、ソロ公演の2回目『「時男」〜イマココニイルコト〜』が行われた。最初は演出家はたてずに自身で自分の素材を明らかにするとして行われたが、今回は、ナオミミリアンが演出を担当し、さらにエンターテインメント性も求める舞台を目指した、という。
 舞台には、天井からたくさんの置き時計が吊り下げられている。それだけでダンスの空間としてはかなりショッキングである。
 山田がある不思議なホームレスと出会ったことから、時空を渡るような物語とも空想談ともいえるような話が静かに語られていく。


  山田の鍛え上げられた身体が鋭く動き、クライマックスを迎えると、なんと釣り下げられた時計がバタバタと物凄い音を立てて床に落下し始めた。踊る山田の肩にも容赦なく時計が落ちてくる、というなかなか衝撃的なシーンだった。緊迫感に満ちたダンスを久しぶりに味わった。

(6月22日、Plan B)


アカデミー・オブ・ハワイアン・アーツ公演

 ハワイの歴史や慣習の真髄をフラの基礎を始めることを通して、伝統の起源を学び、ハワイ文化の遺産を継承することをミッションとするアカデミー・オブ・ハワイアン・アーツが来日公演を行った。
  ハワイの風や雨や波、草花などの自然を表し、ハワイの島々の霊性に寄り添いなが発展してきたフラは、近年では日本でもたいへん人気が高い。オアフ島出身のマーク・ケアリイ・ホオマル率いるアカデミー・オブ・ハワイアン・アーツは、ハワイから離れたカリフォルニア州オークランドに拠点を置いて活動している。

 フラのステージは、古代のハワイの神話、ハワイを統一した大王カメハメハの物語などが盛り込まれた、情感あふれるダンス。そして、ハワイの人々の生活や習慣を踊る。「釣り」をテーマに繰り広げられるじつに楽しいフラ。
 ハワイに吹き渡る優しく豊かな風と悠久の中に寄せては返す波が、フラを通して体験され、そこにまた、哀しい歴史も語り継がれていく。ダンスが歴史や伝統と深く関わるものであることを教えられた公演だった。

(6月5日、オーチャードホール)
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