関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi
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コンドルズ『勝利への脱出』

 コンドルズの2006年4月公演は、ワールドカップイヤーに因んで、サッカー試合のスタイルの公演だった。45分ハーフで、前半、ハーフタイム15分、後半、という構成。<日本代表コンドルズ、最強メンバーの12トップによる超攻撃型フォーメーション>、と銘打った公演である。

 何故サッカー? それはそう、コンドルズ率いる近藤良平は南米のペルー生れ。父親の仕事の関係でチリやアルゼンチンなどで育った。多感な成長期をサッカーが猛烈に盛んな南米で過ごしたのである。
「小学校が終る頃までの僕の夢はサッカー選手。父の仕事で南米アルゼンチンにいたため、遊びといえばサッカーだった。ちなみにその頃、マラドーナはまだ10代。周りの大人達も含め、誰もがサッカー馬鹿だった。……」と近藤は<OKハウスからの手紙>で書いている。また04年には、コンドルズは中南米ツアー(チリ、コスタリカ、フロリダ)も行っている。

 サッカーボールを使ったり、サッカーにまつわるコントやダンス、映像、生演奏、人形劇などの多芸なメンバーによる多彩な展開は相変わらず冴えているし、ファンの観客との呼吸もあっている。映像はCMを素材としたギャグが多かったが。

 ハーフタイムでは熱狂的ファンだという篠原ともえが登場して、いろいろとネタの解説というかネタばらしを話した。これはチラシやプログラムにまったく記載されたなかったし(ミスターXというのはあったけど)、意外な感じでおもしろかった。多くのファンがコンドルズの舞台のどういうところをおもしろがっているのか、ということも理解できた気持ち。
 コンドルズは、今やダンス公演のみならず、直近の活動だけでも、早稲田の演劇博物館では「ネバーエンディング・ストーリー展」が開催されたり、TOKYO FMに出演したり、携帯のモバイルサイトに登場するなど様々の媒体にとり上げられる人気者となった。
(4月8日昼、東京グローブ座)

『囚われた野性〜折りの中の狐達〜』KAyM 旗揚げ公演

 ストリート、バレエ、ジャズ、モダン、ブレイクダンス、カポエラ・・・とそれぞれのジャンルのダンスを得意とする、6人の若いダンサーが集まって<KAyM>(カイム)が立ち上げられた。
 桑原文生、三枝宏次、佐籐洋介、辻本知彦、三木雄馬、山田茂樹。舞台という虚空をバラバラに突っ走る六個の才能。ボリショイ劇場の正面を飾るアポロンの四頭立ての馬車のように、これが、まさに鼻息荒き六頭立ての馬車となったのである。操る馭者は上田遥。

 あらゆるジャンルのダンスが出尽くした日本で、踊れて振付もできるパフォーマーとして確立したダンサーたちをひとつにまとめて、若いエネルギーのバクハツをダンスでやったらどうなるか、という上田のコンセプトから<KAyM>の舞台が創られたのである。
 オープニングは小さなモニターに楽屋とおぼしき映像が映され、ガタン、バタン、ドカン、と椅子かなにかを壁に投げつけているような激しい音だけが連続して聞えてくる。暴走するエネルギー、大丈夫なのかplan B、と思った。

 プログラムには演目として、0.因、1.心、2.速、3.対、4.奮、5.気、6.己、7.楽、8.郷、9.静寂、〜祭り〜、と記されていた。ジーンズを履いた6人のダンサーがからみつつ、それぞれの得意な踊りをソロで見せる、という構成である。6人とも競うように鋭い技を披露した。なかでもバレエのステップで異彩を放った三木雄馬と、力強い身体を使って独特の動きを見せた辻本知彦のダンスが印象的だった。
(4月22日、plan B。)
*辻本知彦のインタビューがFuji-tv ARTNET「ダンサーって?!」でご覧いただけます。


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