マシュー・ボーンの『愛と幻想のシルフィード』(原題"HIGHLAND
FLING")は、1994年に7人のダンサーにより小劇場で初演された作品を再創作したものである。
ボーンは彼の創作手法を踏襲して、 ロマンティック・バレエの代表的作品『ラ・シルフィード』の物語の骨格を使いつつ、現代の観客に大いにアッピールする舞台を創った。
冒頭は、スコットランドのグラスゴーのクラブ「ハイランド・フィリング」の落書だらけの薄汚れた男性用トイレ。
奇妙な形に歪んだセットが組まれている。タータンチェックのスカート(でいいのかな)に革ジャンを引っ掛けた、ジェームズがメロメロになって登場。
彼は恋人エフィとの結婚式を明日にひかえた溶接工で、このクラブでドラッグにまみれ、只今、トリップ中である。
するとジェームズに、空気の妖精シルフが舞っているいるのが見えた……。そんなストーリーが、速いテンポのダンスでぐんぐんと展開していく。
最初はドラッグの幻想の中にだけ見えたシルフが、しだいにジェームズの現実の中に姿を現すようになる。けれど、もちろんエフィや彼の友だちにはシルフは見えない。
ジェームズは夢中になってシルフを追うが、決して捕えることはできない。彼は、ついに結婚式の最中にシルフを追って家を飛び出す。 |
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