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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe
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マリインスキー・バレエのパリ公演続報、ゲルギエフ指揮で収録された『くるみ割り人形』

 11月から12月にかけて、シャトレ座をにぎわせたマリインスキー・バレエ。4種類のプログラムのうち、最後はチャイコフスキー曲『くるみ割り人形』で、12月2日から5日まで6回上演された。
 美術家ミハイル・シェミアキンの演出、美術、衣裳、キリル・シーモノフの振付の舞台は、2001年の制作で、2003年のパリ公演でも上演されたもの。まず美術家に主導権を持たせたため、舞台はロシア風ダリの世界にこってりと塗り替えられ、伝統あるマリインスキー劇場としては、かなり大胆な新版として反響を呼んだ。反面、一幕など踊りの部分が削られてしまい、踊りを見る楽しみが減ってしまったことも否めない。今回また同じ版を持ってきたのは、ゲルギエフ指揮で映像化する企画があったためだろう。

 主役のマーシャは、当初ディアナ・ヴィシニョーワも予定されていたが、直前に降りてしまい、イリーナ・ゴルプとエウゲニヤ・オブラスツォワの交替、王子は、レオニード・サラファーノフとアンドリアン・ファジェーエフらの交替。収録は、オブラスツォワとファジェーエフのペアで行われた。前回に続いて、ゴルプを見たが、テクニック的にも余裕が見られ、堂々とした演技には、成長の跡を感じさせた。
 それにしても、ゴルプをはじめソリストたちのテクニックは、この10年間で飛躍的に向上した。特に跳躍の高さと、回転技のバランスの良さ、そしてポール・ド・ブラの美しさは絶品だ。


創立20周年のモンテカルロ・バレエ団、マイヨーの新作『夢』を世界初演

 創立20周年を迎えたモンテカルロ・バレエ団が、その記念シリーズの一環として、ジャン=クリストフ・マイヨー振付『夢』を12月27日、グリマルディ・フォーラムで世界初演した。

 このバレエは、シェークスピアの『真夏の夜の夢』を原作に、マイヨーが自身のイマジネーションを駆使し、現代の『夢』を創り上げたもの。全体は2部23場の約2時間で、職人の世界(オリジナル音楽:ベルトラン・マイヨー)とアテネの人々の世界(音楽:メンデルスゾーン)、妖精の世界(オリジナル音楽:ダニエル・テルッジ)という3つの世界で構成されている。演奏は、ニコラ・ブロショ指揮モンテカルロ・フィルハーモニック・オーケストラに合唱が加わったもの。

 装置、衣裳は、マイヨーの長年のコラボレーターであるエルネスト・ピニョン=エルネストと『美女』の衣裳をデザインしたフィリップ・ギヨテルで、ファンタジックなステージが目を楽しませる。天空に浮かぶ巨大な雲のような天幕や、妖精パックが花粉を散らすために乗り回す車などがアイディアだ。

 マイヨーは、このところ官能性をテーマに作品を創っているが、今回も自身のミューズであるベルニス・コッピエテルス扮するタイターニアの神秘的な美しさを引き出すことに成功し、とりわけ第2部の、ロバに変えれたボトム(ガエタン・モルロッティ)やオベロン(ジェローム・マルシャン)とのパ・ド・ドゥが見ものだ。
 初日は、モナコ公アルベールとバレエ団総裁のカロリーヌ王女も臨席され、盛況のうちに幕を閉じた。
 この新作は、2月にフランスのディジョン、3月にイタリアのジェノヴァで公演された後、7月には日本公演が予定されている。

 なおバレエ団では、20周年を記念して、DVDと記念アルバムを発売。DVDは、マイヨーとカンパニーの代表作『ロミオとジュリエット』『くるみ割り人形』『美女』『ミニアチュール』4作品をセットにした箱入り。記念アルバム『LES BALLETS DE MONTE-CARLO 1985/2005』(25ユーロ)は、1985年にピエール・ラコットとギレーヌ・テスマーが創立した当初から現在に至るまで、豊富な写真を交えてバレエ団の歴史をたどるもので、ともに貴重な資料だ。
問い合わせ: www.balletsdemontecarlo.com

 

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