パリ・オペラ座2004-2005年シーズン・プログラム発表
来季より、ジェラール・モルティエを総監督に迎えるパリ・オペラ座の新シーズンのプログラムが3月9日発表になった。舞踊監督は、ブリジット・ルフェーヴルが継続するため、従来と大きな変化はないが、コンテンポラリー路線がさらに強まった印象。
まず、配布されたカランドリエに驚く。かつてないほど大版で、演目の内容とは関係なく、前衛ビデオ・ア−ティストによる写真を並べた装丁とデザインは、まるでヌ−ヴェル・ダンスのメッカ、テアトル・ド・ラ・ヴィルか郊外のボビニー劇場のそれのよう。これは、大きすぎて整理に困るとか、見にくい、説明が分かりにくい、演目が日付け順に並んでいないので不便等々、常連ファンの間では評判は芳しくない。今の総監督のユーグ・ガルが大衆路線を目指し、オペラ座を身近なものとするのに成功したのに対し、新体制は、特にオペラの演目や演出家の選定に、どちらかというと万人向けというよりスノッブな傾向が感じられる。モルティエ新監督は、従来25,000人の定期会員を40,000人に増やそうと意気込んでいるが、どうだろうか。事実、定期会員は指定のセット券の場合、10%割引になっているものの、単発売りのチケットは10%も値上がり。定期会員を対象とした説明会では、ファンから値上げや配役変更などに対する不満の声が挙がっていたという。ファンの関心事は、世界中共通といえるようだ。
さて、バレエだけに目を向ければ、ヌレエフのグランド・バレエが復活し、ローラン・プティ特集があるのがファンを喜ばせている。反面、バランシンやロビンス、リファールなどのネオ・クラシックが少なくなったのがさびしい。コンテンポラリーの話題は、まずピナ・バウシュの『オルフェオとエウリディーチェ』が初めてオペラ座のレパートリーに入ること。『公園』『カサノヴァ』に次ぐプレルジョカージュの3作目の委嘱新作もある。このところ斜陽気味のフランス・ヌ−ヴェル・ダンスに代わって、年々勢いを増しているベルギー勢の登場も注目される。これは、モルティエ監督がベルギー出身であることとも関係しているだろう。女流のミシェル・ノワレと客演のアラン・プラテルのカンパニーである。後者は、オペラ座を飛び出し、ピナ・バウシュやキリアンの元で踊っていたラファエル・ドゥロネが出演することから、今から話題になっている。
いずれにしても、バレエ公演は配役次第のところがあるので、キャスティングの発表が待たれる。 |