●マース・カニングハムの『イベンツ』
12月14日から19日まで、マース・カニングハム・ダンス・カンパニーの公演の『イベンツ』が、ジョイスシアターにて行なわれました。日本人ダンサーのミズタ・コウジも出演していました。このカンパニーはニューヨークにて、1953年夏にブラック・マウンテン・カレッジで始まり、50周年を迎えました。当時のメンバーには、ポール・テイラーもいて、ミュージック・ディレクターはジョン・ケージでした。他にも数々の大御所を輩出してきました。カニングハムは、70年代から数々のビデオやフィルムダンスを振付してきました。この公演は、毎日それぞれ、ミュージシャンと作曲家、舞台背景のアーティストを替えて上演していました。
カニングハムは現代のモダン・コンテンポラリー・ダンスの巨匠で、ワシントン生まれ。1939年から1945年まで、マーサ・グラハムのカンパニーでソリストを務めました。
舞台の左下(客席端)にDJのターンテーブルが2台あり、DJが音を操作していました。リズムは無く、ビョンビョンとした電子音などを出していました。音楽は電子音で、ほとんどが不協和音だったので、だんだん不快になってきました。振付は、一つ一つの動作は別に難しいことは一つも無かったですが、とても個性的でした。追いかけたり、じゃれて遊んでいるような動きや、引っ張り合って遠心力を使ったような動きがありました。くるくる回りながら動く振付が多かったです。例えば、回転しながら前にアティテユ―ドしてパッセになり後ろにアラベスクをしながら進んでいったりしていました。踊りの早さ、リズムはまちまちで、ゆっくり動いたり、止まったり、早く動いたりしていました。パッセで止まったり、アラベスクをして足を上げたまま長い間止まる部分も多かったので、ダンサーの9割方はヨロヨロとしていて、バランスを取りにくそうにしていました。プロでもヨロヨロするなんて、難しい振付だったのでしょうか? 女性ダンサーたちの体型は、コンテンポラリーだからなのか全員寸胴でウエストが無かったです。クラシックは、足を上でキープしたまま上半身もアップするという動作が多いので、バレリーナはウエストが細くてスタイルがいい人が多いのでしょうね。ニューヨークのダンサーから聞きましたが、ダンスを学ぶ前に、その先生の体型を見て、いいスタイルの先生のクラスを取らないとだめだ、その先生と同じような体型になってしまうから、とのことでした。この女性ダンサーたちを見ていると、そんな話を思い出しました。
最後に、カニングハムが、ツエを付いてヨボヨボと舞台挨拶に出てきてお辞儀をした時は、観客は感激して総立ちでした!この挨拶は感動的でした。私も思わず立ち上がって拍手を送りつづけました。
●ジョイスシアターのトロカデロ・デ・モンテ・カルロ
12月21日から1月2日まで、ジョイスシアターにて、トロカデロ・デ・モンテ・カルロの公演が行なわれました。このカンパニーは30周年を迎え、日本にも20回も来ている、おなじみの男性ばかりのクラシック・コメディー・バレエ・カンパニーです。1974年にこのグループは初めて結成され、当時はオフ・オフ・ブロードウェイの遅い時間帯のショウで最初の公演が行われました。そして瞬く間にニューヨーカー、ニューヨーク・タイムスやヴィレッジ・ヴォイスで絶賛され、アーティスティックでポピュラーな成功を収めました。デビュー最初から、彼らは世界的に有名になり、成功していきました。私も一度は観てみたかったので、とても楽しみにしていました。もちろん、プログラムA,
Bと両方とも観劇しました。一人、日本人バレエダンサーの、サキツミ・ユリカ(男性)も出演しています。
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客席は抱腹絶倒の大笑いの渦に包まれ、とてもユーモアに満ちた、楽しい公演でした。とても楽しませていただきました。ダンサーたちは、よく吹き出さないで涼しい顔をして踊れるなと、感心しました。私だったら、踊りながら笑ってしまってダメだと思います。彼らは、身体も大きいし、どうやってトウシューズで体を支えるのかな、と心配しましたが、意外なことに結構上手に踊っていたのでなおさら驚きました。皆、ソロで踊っているダンサーたちはきちんとしたクラシックの訓練を積んでいる、れっきとしたクラシック・バレエダンサーなので、びっくりしました。わざと下手くそに踊っているところもありましたが、バレエの基本がきちんと出来ている人の崩し方です。ピルエット12回転や15回転など、大技も何度もキメていました。 |
日本でも何度も公演をしているので、踊りの詳細な描写は省略させていただきますが、舞台全体の構成も、メリハリがあって、とても良かったです。押さえた踊りと、テクニックを駆使して見せつける踊りと、交互に混ぜてあって、ずっと飽きさせないテンションで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。とても大げさな踊りが笑えました。『白鳥の湖』や、『ドン・キホーテ』のパ・ド・ドゥや、オリジナルの作品であるエコール・ドゥ・バレエなどがプログラムにありました。
特にプログラムA, Bで瀕死の白鳥を2回、違うダンサーで観ましたが、それぞれ個性が全く違って、振付も細かい所は変えてあって、とても興味深くて良かったです。足がヨロヨロしながら踊ったり、ヨロヨロ左右に足が開いてきてしまって手で真中に戻したり、拍手を求めて大げさに何回もでてきたり、笑わせていただきました。 |
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●日本人も多いペリ・ダンス・センターの発表会
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12月18日に、日本人学生も多く在籍しているペリ・ダンス・センターの発表会が行われました。8つのダンスが披露されました。特に、日本でミュージカル女優・ダンサーとして活躍後、ニューヨークに渡りNYUの大学院で学んだ振付家の、長谷川ゆきの振付作品が上演されるということで、観に行って参りました。彼女の作品は、音楽にとても合っている自然なもので好感が持てました。6人の日本人ダンサーがこの作品を踊っていました。音楽はハウス風の電子音で、振付はジャズ・ダンスとシアター・ダンスが混ざったようなものです。 |
他に印象に残っているものは、教師のイガール・ペリー振付作品で、アメリカで活躍中の福田純一らが男性のペアで踊っていて、とても表現力があって良かったです。 |