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From Osaka -大阪-
すずな あつこ text by Atsuko Suzuna
●貞松・浜田バレエ団特別公演『ラ・プリマヴェラ』

 貞松・浜田バレエ団が阪神大震災の直後から毎春、「がんばろう!神戸」の思いを胸に行っている公演。
 今回は、グラン・パ・ド・ドゥを中心とした名作コンサートから、漆原宏樹振付の『タチアナとオネーギン』、ラストは『ドン・キホーテ』の抜粋だった。
 このバレエ団はレベルの高いダンサーが多く、名作コンサートで上演されたパ・ド・ドゥはどれも見応えがあり、ピックアップして紹介するのに迷ってしまう。

 そんな中でも特に印象的だったのは上村未香と貞松正一郎の『ロミオとジュリエット』バルコニーシーン。今回、貞松正一郎の振付けで初演。幕が開くとバルコニーの上と下で見つめ合う二人、2〜3分は見つめ合っているのではないかと思うくらい長く見つめ合うのだが、それだけで二人の想う気持ちがこちらに切ないほど伝わってくる。二人のパ・ド・ドゥはさすがになめらかで、心情が伝わる踊り。朝の光が差し込み別れを予感させる部分ではドキっとするくらいゾクゾクしてしまうものがあった。

 漆原宏樹振付の『タチアナとオネーギン』を踊ったのは吉田朱里と山口章。吉田朱里は長身で美しいスタイルのダンサー。タチアナの紅いドレスがよく似合って、堂々とした雰囲気があり、大人の踊りが出来る人だなと感じる。苦悩しながらも拒否する強さを良く演じきっていた。

『ドン・キホーテ』は、2002年11月にニコライ・フョードロフを演出に招いて上演したゴルスキー版の抜粋、浜田容子と貞松正一郎が改訂振付している。
 実は、2002年の上演の際は、バジル役を予定していた貞松正一郎が直前にケガ。この為、急遽東京バレエ団の高岸直樹が代役を努めた。だから、今回、キトリを正木志保、バジルは貞松正一郎と2年前に予定されていた二人の『ドン・キホーテ』を観ることが出来たのは嬉しい。

「ロミオとジュリエット」

 幕開きは女性ダンサー24人、壮観。続いて8組の男女のデュエット、踊れるダンサーがたくさんいるから、こんな構成が出来るのだなとあらためて感じた。また、本当にダンサーたちが楽しそうに踊っていて、踊り比べとでも言うような華やかさが素晴らしかった。(4月16日、神戸文化中ホール)


「タチアナとオネーギン」

「ドン・キホーテ」

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●ISバレエアカデミア/泉・下森バレエ団『白鳥の湖』他


 泉バレエで共に活躍していた泉ポール、下森瑞夫妻が4年前に独立して作った団体で、全幕公演は一昨年の『ジゼル』に続いて2回目である。

 今回は『白鳥の湖』。泉ポールが古典を大切にしつつ新演出を行った。オデットを下森瑞、オディールを村主麻里、王子に高瀬浩幸、ロッドバルトが泉ポール。
 まず、1幕で印象的だったのは、パ・ド・トロワ。まず、“友人のパ・ド・ドゥ(大久保春香、新屋滋之)”として結婚カップルのイメージでアダージオが踊られる。その途中で投げられたブーケを友人たちの中にいる井上備恵が受けて、第1ヴァリエーションを踊り、新屋の男性のヴァリエーション、大久保の第3ヴァリエーションと続く。この方が、その後、女王から結婚を勧められる王子・・・というストーリーに自然に続くように思えて、なるほどと感じた。

 もっとも大きな特徴はロッドバルトの解釈。泉ポール自身、長い間ロッドバルトを得意としてきたダンサー、今回も迫力のある演技で舞台を引っ張っていたが、そのロッドバルトをただの悪魔に終わらせないで深く追求している。それは4幕に現れていた。3幕でオデットを裏切ってしまった王子を責める白鳥たち、絶望の中、オデットと王子は踊るが、それを引き裂くロッドバルトは実はオデットを愛していて、王子のオデットへの愛を試している。崖下に飛び込むオデットを追って飛び込むロッドバルト。その後、飛び込む王子。王子が飛び込んだ事によって、王子のオデットへの愛を確認したロッドバルトは二人を助ける・・・というストーリー。

 欲を言えば、“ロッドバルトがオデットを愛している”というのが2幕でももう少し強く見えればもっと良かっただろう。とはいえ、高瀬の気品ある王子、秋定の明るくテクニックを披露するピエロなどにも支えられて、良い舞台に仕上がっていた。(4月18日、ピッコロシアター大ホール)


ISバレエアカデミア/泉・下森バレエ団『白鳥の湖』
 

 

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