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秀 まなか 
[2010.06. 7]

ステファン・ビュリヨンがソロルを踊ってエトワールに昇格

5月17日に開幕したパリ・オペラ座バレエの『ラ・バヤデール』の千秋楽、6月2日に、プルミエ・ダンスールのステファン・ビュリヨンがソロル役でエトワールに昇格した。
今年30歳になるビュリヨンはリヨン出身。1994年にパリ・オペラ座バレエ学校入学、1997年に17歳でオペラ座バレエ団に入団する。2001年にコリフェ、2002年にスジェに昇格し、2003年にはAROP賞を受賞した。
オペラ座の厳しい階級制をトントン拍子で駆け上がった逸材は、早くから頭角を現した。まず、コリフェに昇格したばかりの時、『牧神の午後』のソリストに抜擢された。スジェ時代には『イワン雷帝』、『パキータ』に主演し、ローラン・プティの『プルースト』で一気に注目を集めることになる。2007年のオペラ座初演の際、降板したバンジャマン・ペッシュの穴を埋めて毎公演モレル役を務め、マニュエル・ルグリあるいはシモン・ヴァラストロ、オーレリアン・ウエット扮するシャルリュス伯爵の気を惹き、マチュー・ガニオあるいはエルヴェ・モロー扮するサン・ルーを堕落の道へ追い込んでいた。
2007年末にプルミエ・ダンスールに昇格してからの彼は、ますます起用される。ほとんどの作品に顔を出すようになり、実質エトワールのような働きぶりだ。『Caligula』のような入団当初から得意としていたコンテンポラリー作品はもちろんのこと、ネオ・クラシックの『In the Night』、クラシックの『ライモンダ』のジャン・ド・ブリエンヌ役で主演し、一連のルドルフ・ヌレエフ作品では、『ライモンダ』のアブデラム、『白鳥の湖』のロットバルト、『ドン・キホーテ』のエスパーダ、『ロメオとジュリエット』のティボルトなどのアクの強い準主役で、ひとひねり加えた深い造詣を見せ、観客に強い印象を残した。
  ここ1年ではナチョ・デュアトの『White Darkness』やジョン・ノイマイヤーの『椿姫』で、第1キャストとして堂々と初日を飾った。特に、ロマンティックで夢見がちな『椿姫』のアルマン役は、まさに彼のためにあるような当たり役で、この2月、3月の同公演では圧倒的な熱演を披露し、エトワール昇格は時間の問題となっていた。
彼の強みは長身でありながらも素早く音に反応する敏捷性と高いダンス・クラシックの技術、卓抜した演技力を背景にした芸域の広さ、そして、勘の良さだ。リハーサルの段階から秀でているわけではないのに、実際の舞台はびっくりするぐらい完成されている。実際、初日3週間前の『ラ・バヤデール』のリハーサルでは、振りもおぼつかず踊りになっていない状態であったのに、本番ではまるで別人。彼ならではの比類ないソロル像を造形して、エトワールの称号を手にした。ソロル役の舞台の模様は、7月12日掲載分でお伝えする予定だ。
ビュリヨンは、6月11日にオペラ座のレパートリーに入る、イリ・キリアンの『Kaguyahime』にマリ=アニエス・ジロを相手に、Mikado役で出演する。