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三崎 恵里 
[2016.02.15]

アメリカモダンダンスの草分けの一人、マーレイ・ルイスが亡くなった

アメリカ人振付家でダンサーのマーレイ・ルイスが2月1日、ニューヨーク市の自宅で亡くなった。89歳だった。

160215_02.jpg Noumenon Mobilus, photo by Fred Hayes

世界的に知られる教育者でもあったルイスは、1926年にニューヨークのブルックリンで生まれ、マンハッタンで育った。1946年に米国軍を除隊したルイスはサンフランシスコへ赴き、コロラド大学のダンスのサマーコースに参加した。そこで彼に重要な影響を与えることになるアーウィン・ニコライ(Alwin Nikolais)に出会う。1949年ニコライ・ダンス・シアターで踊るためにニューヨークに帰った。
ニコライ・ダンス・シアターで生涯を通じて踊ったルイスだが、一方で1953年に自分が育った地域の近くのヘンリー・ストリートに設立したダンスグループ、マーレイ・ルイス・ダンス・カンパニーでも踊った。1968年、ルイスのカンパニーは米国国務省に選ばれ、インドへ2ヶ月間の公演ツアーを行った。このツアーを発端に、同カンパニーは米国および世界中を公演して回ることになった。1978年にルイスはルドルフ・ヌレエフのブロードウェイ出演のために二つの作品を振付け、その後ヌレエフが彼のカンパニーに客演した時には、ヌレエフと自分のための作品を数多く振付けた。
デーヴ・ブルベック・カルテットとルイスの共演「ブルベック・ピース(Brubeck Pieces)」は、1984年にニューヨークのシティ・センターで初演したが、その後世界ツアーに繋がった。ルイスの作品は米国及び海外で多くの賞や栄誉を受賞、その中にはパリ市の名誉勲章グランド・ヴァ―メイル(1979)、フランス政府のコマンドール文化勲章(1983)、米国ダンス・マガジン賞(1977)、グッゲンハイム・フェローシップ(2回受賞)、ルシア・チェイス・フェローシップ等が含まれる。ルイスはボストン・コンサーヴァトリー大学、ラトガース大学、オハイオ大学、インディアナ大学の名誉博士号も授与された。
ルイスの作品はテレビや映画でも放映され、主なものには「芸術体としてのダンス(Dance as an Art Form)」(映画5編シリーズ)、「アーウィン・ニコライの世界(The World of Alwin Nikolais)」(ビデオ5編シリーズ)などが有る他、ルイスとニコライはクリスチャン・ブラックウッドの受賞映画「ニックとマーレイ(Nik and Murray)」のテーマとして、PBSテレビ(日本のNHKに当たる)の「アメリカン・マスター(アメリカの巨匠)」シリーズの一環として放映された。
ルイスはダンスのエッセイも執筆し、著書には「インサイド・ダンス(Inside Dance)」(St. Martin’s Press出版)、「オン・ダンス(On Dance“) (A Cappella Books出版)の二冊が有る。マーレイ・ルイスの人生を追悼・称賛するイベントは来年行われる予定。

160215_01.jpg Gallery, photo by Tom Caravaglia
160215_03.jpg Tensile Involvement, photo by Fred Hayes