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[2008.08.10]

日本のバレエのフロンティア「橘秋子展」盛況のうちに終わる

 日本のバレエのフロンティア「橘秋子展」は、7月9日より13日まで、橘秋子・牧幹夫夫妻の出身地、宇都宮市の栃木県総合文化センターの第1ギャラリーで開催された。
オープン当初から予想を超える人々が集まった。特に、ワガノワ・バレエ・アカデミーの来日公演が、同じセンターの大ホールで行われた12日と、牧阿佐美が来場して「橘秋子のバレエ----振付と復元」が行われた13日は、引きもきらぬ入場者があった。
橘秋子の日本を題材とした全幕バレエ『飛鳥物語』の舞台美術原画を大きく引き延ばした画面と、やはり拡大した舞台写真を重ねたスペースを中心として、 『飛鳥物語』の衣裳、280点近くの公演写真やバックステージ、著名人との交流、顕彰写真、牧幹夫関連の貴重な資料などが、ゆったりと展示された。
また、栃木県総合文化センターのサブホールで行われた牧阿佐美の「橘秋子のバレエ----振付の復元とお話」(司会進行/関口紘一)では、母、橘秋子の バレエ教育法から、創作の原点、父、牧幹夫の思い出、新国立劇場芸術監督お仕事に至まで、牧阿佐美の熱いトークが繰り広げられた。300人近い聴衆の中に は熱心にメモをとる人も見受けられた。ほんとうに宇都宮はバレエが盛んな街だと思った。
そして、牧阿佐美バレエ団のプリマ、田中祐子が、橘秋子振付の「黒竜の踊り」(『飛鳥物語』の中のヴァリエーション)を復元して踊った。展示会場に展示されていた衣裳をそのまま一時ひきとって身に着けて踊り、大喝采を浴びた。
今日の日本のバレエの礎と築いた、橘秋子・牧幹夫夫妻。その一粒種として生まれた牧阿佐美が、それをさらに大きく発展させた。日本のバレエ史の基軸ともいうべきこの一家の軌跡は、今後もしっかりと評価し、検証していかなければならないと思われる。

日本のバレエのフロンティア「橘秋子展」=主催/財団法人とちぎ生涯学習文化財団、協賛/チャコット株式会社、特別協力/橘秋子記念財団、牧阿佐美バレエ団、企画/関口紘一

(関口紘一)