宝塚歌劇花組公演『虞美人ー新たなる伝説ー』が4月30日、東京宝塚劇場にて初日の幕を上げた。
長與善郎の戯曲『項羽と劉邦』を原作としたこの作品、初演は1951年(昭和26年)、脚本・演出は白井鐵造。宝塚歌劇にとって初めての1本立作品で、舞台上で本物の馬に騎乗するなど、ロングランも続けた話題作だった。
今回は、花組のトップ娘役の桜乃彩音の退団公演でもある。
大好評だった白井版の『虞美人』を、原作を元に木村信司が新たに手がけたミュージカル『虞美人ー新たなる伝説ー』は脚本・演出・音楽・装置・衣裳とすべてが刷新されているが、白井が作詞した主題歌「赤いけしの花」は懐かしいメロディとともに再び舞台によみがえっている。
物語は、紀元前3世紀。秦の始皇帝の死後、再び戦乱となった世で覇権を争った、楚の武将・項羽(真飛聖)と宿敵の漢の武将・劉邦(壮一帆)との争いと、項羽の寵姫である虞妃(桜乃彩音)との悲恋を描いた作品。
幾重にも陰謀が巡らされ絡み合う人間模様、覇権をかけて激しく争うことになる項羽と劉邦の出会いから結末まで、また戦場にまで虞妃を連れて行った項羽の一途な愛を、宝塚ならではの壮麗な舞台として描いている。
公開舞台稽古の後、主演の真飛と桜乃が会見した。
真飛 千秋楽まで項羽と虞美人コンビで精一杯つとめて参りますので、よろしくお願いいたします。
桜乃 この公演で宝塚を卒業させていただきます。長い間本当にお世話になり、ありがとうございました。最後まで精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
----今回で桜乃さんが退団されますが、お互いの魅力を改めて
真飛 すべてが可愛いです。今回は集大成ということが彼女の中ではあるからかもしれないですが。今回は初めて最初から夫婦という役です。今までは兄妹とかが多く、恋愛関係の役は少なかったので、久しぶりの2人の恋愛物というのでとても嬉しいです。彼女の幸せオーラが伝わってくるので、すべて愛おしいと思います。最後に自害する前の剣舞の踊りなど、なんとも言えない彼女の表情とかに、あれはもうたまらない愛おしさを感じています。
桜乃 ありがとうございます。
真飛 のろけ対談の様ですね(笑)
桜乃 本当に今まで強く私のことを引っ張ってきてくださって、芝居の中でも、ゆうさん(真飛)とご一緒してると安心感があって、すべてを預けていられます。私も本当に愛おしくて。
真飛 真似しないでよ(笑)
桜乃 本当に最後の公演でこうやって、夫婦の役をさせていただけることが本当に幸せです。
----名作を背負って、自分たちの役に取り組んだ工夫などあれば
真飛 そうですね、以前やられていたとはいっても曲も違いますし、「赤いけしの花」以外は全部新曲ですので、昔ご覧になっていた方も「赤いけしの花」は懐かしいと思いますが、他はリメイクされているので、新作という思いで観てくださっていると思います。ただ、やはり以前にやられた方々が魂を込めて演じられていた、名作だったと語り継がれている『虞美人』というものを、今回観てこんなお話だったんだとか、こういう形で再演してるんだ、と観ていただけたら嬉しいです。項羽に関しては、本当に真っ直ぐで嘘が無い人物ですので、やっていて心が洗われるというか、それ以上いったら誤解を招くタイプだと思うくらいまっすぐ生きている人物なので、やっていて気持ちがいいです。
桜乃 私も、初演をご覧になっていたお客さまに「初演を観ました」と時々言われます。そういう方たちのためにも、美しい思い出を壊さないように演じたいと思っております。虞妃に関しては、まっすぐ過ぎる項羽様を愛する虞妃もまたまっすぐ清らかで、実在していた人物ですので、誠意を込めて心を込めて、素直な気持ちのまま、この役を演じることができたらと思っております。
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