荒部 好

『ダンシング・ハバナ』

 愛と革命とダンス、そしてキューバ音楽の強烈なリズムと身体と共鳴する鮮烈なビート。『シャル・ウィ・ダンス?』は日本発の素晴らしいボールルーム・ダンス映画だったが、『ダンシング・ハバナ』は大胆で官能的なサルサに溶けてしまうような熱い映画である。

 1958年のキューバ。フォード社の重役の父の赴任のため18歳のケイティは常夏のキューバへやってくる。厳格な両親に育てられ自分の殻に籠りがちなケイティは、ここで、貧しいけれど誇り高いキューバ人バビエルと、情熱的なサルサのリズムと出会う。バビエルは家族と一緒にアメリカに移住する、という夢を抱いていた。キューバの音楽とダンスに魅せられたケイティは、ダンス大会の優勝賞金でバビエルの夢を叶えようと猛レッスンを重ねる。そしてバビエルを恋するようになったケイティは、しだいに恐れを捨て自分のこころを解き放ち、情熱的なダンサーへと変貌していく‥‥。

 むせるような熱気に満ちたクラブの官能的なダンス、サルサ、メレンゲ、マンボ、アフロ・キューバンと、ラテン系のダンスを融合させたスクリーンからはみ出さんばかりの臨場感溢れるダンスシーンが、次々と繰り広げられる。ケイティとバビエルのパートナーの信頼が作られていくにしたがって、恋の情熱も高まってひとつに溶け合っていく様子が、革命直前のハバナの街を背景に鮮やかに描かれている。

 ケイティを演じるのはイギリスの新星、ロモーラ.ガライ。バビエルはラテン系俳優のホープ、ディエゴ・ルナ。『ダーティ・ダンシング』主演のパトリック・スウェイジがダンス・インストラクター役で出演している。

 振付は『Shall we Dance?』のジョアン・ジャンセン。彼女自身の体験に基づいてストーリーが書かれているそうだ。

 

 
 
『ダンシング・ハバナ』
7月シャンテシネ他にて全国順次ロードショー
(配給:ギャガ・コミニュケーションズGシネマグループ)
監督:ガイ・ファーランド
CAST:ディエゴ・ルナ/ロモーラ・ガライ
上映時間:86分