荒部 好

『イベリア 魂のフラメンコ』

 アントニオ・ガデスとともに『カルメン』『血の婚礼』『恋は魔術師』のフラメンコ三部作を撮って、世界にその名を知らしめたカルロス・サウラ。近年は『フラメンコ』『タンゴ』『サロメ』などのダンス映画でその健在ぶりを示している。
 そのサウラ監督の最新作が『イベリア 魂のフラメンコ』である。

 この映画は、今年、作曲されてから100年を迎えた、スペインの偉大な作曲家イサーク・アルベニス(1860-1909)の組曲「イベリア」に熱い想いを込めて制作されている。名ピアニストでもあったアルベニスは、組曲「スペイン」組曲「スペインの歌」などの素晴らしいピアノ曲を残し、ファリャ、トゥリーナなどの20世紀スペイン音楽家のひとつの目標ともなった。

 サウラ監督は、アルベニスの組曲「イベリア」のそれぞれの曲を一流のミュージシャンが様々のスタイルで演奏し、フラメンコ・ダンサーが踊るという、スペインのスピリッツがスクリーンから迸り出るようなライヴ映画を撮ったのである。

 フラメンコ・ダンサーの顔ぶれがまた凄い。サラ・バラス、アントニオ・カナーレス、ホセ・アントニオ、アイーダ・ゴメス、ミゲル・アンヘル・ベルナ・・・、サウラ監督にしか集められないようなダンサーたちが、舞台を突き抜くばかりのコンセントレーションによって競い合い、鮮烈なライヴを繰り広げているのである。

 

 
 
『イベリア 魂のフラメンコ』
脚本・監督・美術/カルロス・サウラ
振付/ホセ・アントニオ
出演/サラ・バラス(舞踊家)、マロノ・サンルーカル(ギタリスト)、ホセ・アントニオ(振付・舞踊家)、アントニオ・カナーレス(舞踊家)、アイーダ・ゴメス(舞踊家)、エンリケ・モレンテ(歌手)、エストレージャ・モレンテ(歌手)、ロサ・トレース=バルド(ピアニスト)、チャノ・ドミンゲス(ピアニスト)、ミゲル・アンヘル・ベルナ(舞踊家)、パトリック・デ・バナ(舞踊家)、ロケ・バーニョス(作曲家)
2006年正月第2弾 Bunkamura ル・シネマ