荒部 好

『ダンサーの純情』

 韓国では「国民の妹」といわれるムン・グニョンを主演に、『純愛中毒』のパク・ヨンフンが監督した『ダンサーの純情』がロードショー間もなくされる。
 ボールルーム・ダンスの天才ダンサーと純真な<天使>の純愛を描いたエンタテインメントである。

 物語は、中国の朝鮮族自治州からダンサーを夢みて純真な少女チェリンがソウルにやってくる。彼女は、傷ついた天才ダンサーのヨンセに預けられる。最初は厄介物扱いだったが、しだいに純真無垢のチェリンにほだされ、ヨンセは彼女をパートナーに育てソウルのダンス大会への参加を決意する。
 猛特訓が始まり、最初はダンスも恋も何も知らなかったチェリンと天才ダンサー、ヨンセの間に信頼関係が生れてくる。

「愛がなければ体を預けて踊ることはできない。ダンスを踊っている時だけでも俺を愛してくれ」というヨンセの言葉に導かれるように、チェリンの才能が開花し、二人のダンスは美しい軌跡を描くようになる……。
 ラテンダンスを練習し踊っているうちに、しだいに愛が育っていくプロセスを、巧みに描く。ディティールにはあまりこだわらず、ふたりの気持ちが静かに燃えていく姿をじつに的確に捉える。ミュージカル界からの新星だそうだが、天才ダンサーのヨンセを演じたパク・コニョンがなかなか上手かった。
 

ムン・グニョン、パク・コニョン主演
パク・ヨンフン監督