荒部 好

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ』コーラスラインにかける夢

  ブロードウェイの天才マイケル・ベネットが、かつて自分もそうだったショーからショーを渡り歩く端役のダンサーたちをインタビューして、彼ら自身の物語をミュージカルにした。
その『コーラスライン』のオリジナル版は、1975年5月21日から1990年4月28日まで上演され、ブロードウェイ史上最長のロングラン記録を作り、ピューリッツアー賞と9つのトニー賞を受賞した。そして『コーラスライン』は、06年から16年ぶりにブロードウェイで再演され、またヒットを飛ばしている。
応募者3000人、最終選考まで8ヶ月、最後に選ばれるのはわずか19名・・・今度は、『コーラスライン』のオーディションそのものをフィルムに収めて、感動的な映画が作られた。

 それが映画『ブロードウェイ♪ブロードウェイ』。
 最終選考では無二の親友と一騎打ちになった、日本人のユカ、8ヶ月の時を経て飛躍的に成長して有力ダンサーの強敵となった新人ダンサー、見事な演技をみせて厳しい審査員の目に涙を浮かべさた者、ほぼ手中に収めていた役を最後の瞬間に新鋭ダンサーにもっていかれた、素晴らしいキャリアのダンサー・・・など愛と涙と苦しみのドラマが、次々と繰り広げられる・・・。

 キャシーは、かつてブロードウェイのミュージカルで大成功を収めたが、今は端役しかなく、ダンサーとして再出発を目指して昔の恋人のオーディションに強引に参加する。このキャシー役は、NYCBのプリンシパルとして、バランシンの『アポロ』のオリジナル・キャストだった、ジャク・ダンボワーズの娘、シャーロット・ダンボワーズが挑む。そしてそのライバルは、父が世界的に有名なオペラ歌手フスティーノ・ディアスで母もバレリーナだったナターシャ・ディアス・・・というふうに激しく競い合って選ばれる。
 オリジナルの『コーラスライン』の貴重な映像も交えて、熾烈な戦いの緊張と解放のドラマが真迫力で描かれている。じつに見応えのある映画だった。

 
『ブロードウェイ♪ブロードウェイ ~コーラスラインにかける夢~』
世界初公開!これがブロードウェイのオーディション!
肉体と精神の極限に挑むダンサーたちの、魂を直撃する熱き闘い。

2008年10月25日(土)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ ほか 全国ロードショー
監督・製作/ジェイムス・D・スターン、アダム・デル・デオ
http://www.broadway-movie.jp/