(荒部 好)

『Fire By Louboutin』ファイア by ルブタン

監督:ブルノ・ユラン
出演:クリスチャン・ルブタン & Crazy Horseダンサーたち

パリ歓楽街の花形、クレイジーホースの80日間限定ショーのステージを3D映像で捉えた映画『Fire By Louboutin』がまもなく公開される。
クレイジーホースは1951年にアラン・ベルナルダンが創設して以来、彼に続いて2005年にはアンドレ・ダイセンバーグ(シルク・ドゥ・ソレイユの広報だった)2009年にはフランスのコンテンポラリー・ダンスの代表で、アルベールビル冬季オリンピックの開会式を演出したことで知られるフィリップ・ドゥクフレをディレクターに起用してきたが、2012年にはゲスト・クリエーターとしてクリスチャン・ブルタンを迎えた。ブルタンはレッドソールのヒールを創って世界中のセレブの支持を集めたシューズ・クリエーターとして高名だが、子供の頃からナイトクラブに出没していた筋がね入りのショー・ダンサー好きだ。ブルタンが腕を振るって創り、80日間限定で上演されたショー『Fire』を『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続ける命』を撮影したクルーが3D映像に仕立て上げた。

1311cinema_main.jpgのサムネール画像

音楽はブルタンの強い希望によって、映画『砂の惑星』や『ブルーベルベット』TVドラマ『ツインピークス』ほかを監督し、ミュージシャン、画家としても活躍、現代的なフェティッシュ感覚が異彩を放つデイヴィッド・リンチだ。
ブルタンは演出にあたって、「女性の身体を賛美し、強調するもの、そのすべてに魅了される。私の仕事とステージパフォーマンスを融合させる最高の方法として、上半身より下半身の注力した。脚線とヒップラインの表現力によって、人間が持ちうる感情の全てを表現することができる」と語っている。
その言葉通り冒頭の映像は、スリムにシェイプアップされ、敏捷に動いて様々に表情が変化する脚。高いヒールに支えられたら見事な脚だった。かつてはマレーネ・ディートリッヒが、その後はジジ・ジャンメールが「100万ドルの脚」と称えられたように、女性の脚の美は永遠のものなのだ。
そしてサルバトール・ダリがデザインした有名なルージュをぬった唇の形のソファーに座ったブルタンが観客に向かって、クレイジーホースの魅力を語りかけて、映画は始まる。
素晴らしいバランスの女性の身体の脚とバストトップそして魅惑のヒップが、きらびやかな照明に照らされて、それ自体が生き物のようにエロティックな挑発を次々と繰り広げる。3Dの効果はてきめんだ。手を伸ばせば触れられそうなイルージョンが千変万化するのだから。
毎週1回水曜日にオーディションが行われ、毎年500人の志願者があり、採用されるのはわずか20名という難関をくぐり抜けてきたダンサーは身体も完璧に揃い、リズム感も揺るぎない。ワインのあまい酔いと素敵なショー、まるで桃源郷に誘われているかのような気分にしてくれる映画だ。

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映画『ファイアbyルブタン』
12月21日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次公開
©Antoine Poupel

出 演:クリスチャン・ルブタン & Crazy Horseダンサーたち
監 督:ブルノ・ユラン
音 楽:デイヴィッド・リンチ
撮 影:『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』撮影チーム
http://fire.gaga.ne.jp/