(荒部 好)

『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ』

監督・製作・編集/ベス・カーグマン

ローザンヌと並ぶ国際バレエ・コンクールとして知られるユース・アメリカ・グランプリ。毎年、世界各地で予選を行い、5,000人を超える応募者があるコンクールだ。国籍を問わず、9歳から19歳が対象。各地で予選が行われた後にニュ−ヨークで最終選考が行われる。
この『ファースト・ポジション』は、2010年のコンクールに挑む6人の子どもたちを追ったドキュメンタリーである。
監督は初めてメガホンをとるジャーナリスト出身のベス・カーグマン。14歳までは熱烈なバレエ少女だった。その後のバレエへの愛を持ち続けて、ついには映画を撮ることになった。

1209cinema_main.jpg

まず、11歳のアラン・ベル。父親の任地を点々としながら、有り余る才能を磨いている。今はイタリアで出会ったコーチと取り組んでいるが、彼はなんとパリ・オペラ座のエトワール、マチュー・ガニオの父親ドゥニス。かつてはダンサーとして渋い魅力を発揮した。やはりダンサーだったマチューの母親のドミニク・カルフーニとともに一世を風靡したのだ、今は別れてしまったが。
地獄から甦ったのはミケーラ。西アフリカのシエラレオネ出身で「どこを見ても死体だった」という悲惨な環境から、養女としてアメリカの家庭に貰われてきた。黒い肌、皮膚に斑点のある彼女は努力を重ねて力をつけてきたのだが、本番直前に足に異変が起る・・・
セレブの高校生は恵まれた環境に答えられるのか。故郷のコロンビアで才能を認められたジョアンは一家を背負って立つつもりだが・・日本人とイギリス人のハーフの姉弟。弟はお姉さんほどバレエに情熱を注ぐことができない・・・
などなど様々な問題を抱えながら、みんなファイナル・ステージに向かって最善の努力を続けていく。そしてついに本番の幕が開く・・・
世界中で様々な環境に置かれてもバレエに情熱を傾ける。ユース・アメリカ・グランプリならではのドラマティックなバレエと青春の物語が感動的だ。

1209cinema_03.jpg 1209cinema_02.jpg

『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ』
(C)First Position Films LLC
2012年12月 Bunkamuraル・シネマ 他、全国順次公開

配給:セテラ/ミモザフィルムズ 宣伝:ミモザフィルムズ/Lem
■2011年製作・アメリカ映画・94分 HD撮影   
■監督・プロデューサー・編集:ベス・カーグマン(映画デビュー作)
■撮影・アソシエイトプロデューサー:ニック・ヒギンス『カウントダウンZERO』
■製作:ローズ・カイオラ  音楽:クリス・ハジアン  編集:ケイト・アメンド
■全米公開:2012年5月4日(金)N.Y&L.A限定公開  5/11より全米拡大公開
■提供:セテラ/ミモザフィルムズ/スターサンズ/Bunkamura  ■協賛:チャコット/シルビア