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三光 洋 
[2016.02.26]

バンジャマン・ペッシュがロビンズの『イン・ザ・ナイト』を踊って、パリ・オペラ座に別れを告げた

2005年に中国ツアー中にエトワールに任命され「中国のエトワール」ともいわれ親しまれてきたバンジャマン・ペッシュが、2月20日にガルニエ宮でさよなら公演を行い、1992年にコール・ド・バレエに入って以来の24年にわたるオペラ座ダンサーとしてのキャリアにピリオドを打った。バレエ関係者がずらりと顔をそろえ、バルコンの一列目の中央にはオーレリー・デュポンやピエール・ラコットの姿も見られた。

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当夜ペッシュはまずジェローム・ベルの新作『墓地(La Tombe)』に登場した。半世紀以上もパリ・オペラ座のバレエ公演にほぼ毎回通い続けた女性シルヴィアーヌ・ミレと、『ジゼル』を「踊る」というプロジェクトだった。しかし、不幸にして年老いた彼女が入院してしまったため、最後のリハーサルで撮影されたビデオがペッシュの語りにつづいて映写された。腰を怪我して以前のようには踊れなくなったエトワールが、オペラ座バレエ団を愛しつづけてきた84歳の女性と踊る、というアイディアにペッシュは、自分の現在への問い直しと重ね合わせた。

休憩後は、ペッシュがキャリアの最初に踊った役の一つであるジェローム・ロビンズの『イン・ザ・ナイト』だった。ペッシュはドロテ・ジルベールをパートナーとして、ローラ・エケ、マチュー・ガニオ、エレオノーラ・アヴァニャート、エルヴェ・モローのカップルとともに踊った。ピアノ伴奏は久山亮子だった。
そして最後に、アンジュラン・プレルジョカージュの『ル・パルク』の第3幕のパ・ド・ドゥをエレオノーラ・アヴァニャートと踊った。これはペッシュが怪我をする前に踊った作品である。モーツアルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章アダージョの哀愁を帯びた旋律を背景に、金髪の長髪としなやかな肢体の官能性あふれるアヴァニャートを相手にペッシュが踊り終わると、大きな拍手が観客の間から沸き起こった。

OPB-Pech-adieux01.jpg (C) Opéra national de Paris/Benoite Fanton OPB-Pech-adieux08.jpg
OPB-Pech-adieux02.jpg (C) Opéra national de Paris/Benoite Fanton

終演後にフォワイエで開かれたパーティでは、ステファン・リスナー総監督が挨拶し、ペッシュの経歴とオペラ座バレエ団に大きな貢献をしたことに触れた。また、バンジャマン・ミルピエ前バレエ監督は、彼の就任以来その右腕としてバレエ団をとりまとめを務めたことへの感謝の意を表明した。

最後にマイクを前にしたペッシュはダンサーとしてのキャリアを振り返り、エトワールへの任命が「遅かった」ことや、常に前向きにダンスに取り組んできたことを真率な言葉で語るとともに、バンジャマン・ミルピエとともに一致して取り組んできたオペラ座バレエ団の改革にも触れた。またローラン・プティや共演したダンサーたち、当時オペラ座バレエ学校長だったクロード・ベッシーへの感謝の辞を述べ、大きな喝采を受けていた。

OPB-Pech-adieux07.jpg OPB-Pech-adieux03.jpg 「クラヴィーゴ」
(C) Opéra national de Paris/ Jacques Moatti
OPB-Pech-adieux04.jpg 「ソナチネ」
(C) Opéra national de Paris/ Agathe ¨Poupeney
OPB-Pech-adieux05.jpg 「ランデヴー」
(C) Opéra national de Paris/ Anne Deniau