ニュース

制作発表: 最新の記事

制作発表: 月別アーカイブ

関口 紘一 
[2011.02. 2]

ヤン・リーピン、最新作『クラナゾ』を語る

1101kuranazo01.jpg

2008年に『シャングリラ』を日本初演して話題を集め、10年にも再来日した中国を代表する舞踊家ヤン・リーピンが、1月25日、最新作『クラナゾ』(ヤン・リーピン主演・総演出)を紹介する記者会見を行った。
『シャングリラ』では、失われつつあった中国の少数民族の踊りや歌をリサーチして、見事なステージ・パフォーマンスを完成。ヤン・リーピン自身が踊った「孔雀の舞」などが大いに評判を呼んだ。
そして今年もそのスレンダーな美しい身体と美貌とともに、待ち受ける多くの記者たちの前に現れた。ちょっと人間離れしたような細身の身体のしなやかな存在感は、はるかに雪を頂いた高山に舞い下りた精霊を想い起させる気がする。

『クラナゾ』とは”蔵謎”であり、蔵はチベットを意味するという。ヤン・リーピンの最新作『クラナゾ』は、海抜4,000メートルの高地に生きるチベット民族のラマ教を中心とする多彩な文化の神秘を、高度な舞踊エンターテインメントとして展開するもの。
物語は実話に基づいて作られており、あるチベット族の老女が巡礼の旅路で見聞していくことを軸として進行していく。
 

1101kuranazo02.jpg

舞踊が盛り上がる見せ場は多い。
山岳地帯の男性たちによる六弦琴のギターを弾きながら歌い、豪快なタップを踏む踊りには、悠久の昔、チベット高原が海だった頃の波のリズムが刻まれているという。中国舞踊独特の民族衣裳の長い袖を使った真紅の衣裳の踊りは、華麗な女性の群舞が鮮やかだ。また、ヤクダンスは、チベットの人々の友にしてシンボルであり守護神でもあるヤクの舞いだが、これは獅子舞にも通底するものがある吉祥の踊りだという。
チベットの中心地ラサのマルポリの丘には、世界に知られるポタラ宮が聳える。この寺院の修復工事に参加することはチベットの人々の誇りだが、その作業から生まれた珍しい踊りも踊られる。そして、豪華な衣裳と色彩鮮やかな装飾品を着飾った人々が行う祭りは、さながら高原の一大ファッションショーのよう。さらに死と転生のイメージが顕現して、チベット民族が信じる輪廻転生の思想が表される。
劇中、ヤン・リーピンは優美で穏やか、そして慈悲に満ちた菩薩の化身を踊り、そこに魅惑的な命の姿を観客に見せてくれる。

中国以外で初めて上演される、<究極の舞踊>ともいわれる『ヤン・リーピンのクラナゾ』。チベトの神秘には、21世紀を生き抜く精神性を解明するカギが秘められているのかもしれない。それをヤン・リーピンが舞台で明らかにするだろう。

1101kuranazo03.jpg1101kuranazo04.jpg1101kuranazo05.jpg

「ヤン・リーピンのクラナゾ」〜チベットの謎〜 Tibetan Mysteries

●4/5(火)〜4/10(日)
●Bunkamuraオーチャードホール
●芸術監督・構成・主演=ヤン・リーピン
●出演=四川省民族歌舞団

詳しくはこちら