ーーー46億年の恋に出演することになったきっかけは?
Noismで一番最初に作った作品「SHIKAKU」の衣装を北村道子さんにお願いしたことがきっかけで、その公演に監督の三池さんがいらして、初めて楽屋でお会いしました。
今回の映画で三池さんが北村さんに衣装をお願いするなかで、浮かび上がった構想だと思います。
ーーーこの映画で映画初出演ということですが、今回のダンスシーンはどのようなイメージを持って、三池さんとどのようなお話をして出来上がったのでしょうか?
三池さんから具体的にこういうふうにしてほしいという話は受けていませんが、台本を渡されて、その中に書かれている活字から自分なりにイメージを起こして、自分の中にこういうふうに踊ろうかな、というのはありました。
でもこの仕事を引き受けた時点で、自分ではないイメージがそこにあったら引き受けていないと思いますし、表現しようとしている場面、瞬間に自分が信じるダンスのありかた、身体のありかたをぶつければ成立するのではないかと思いました。
呼んでくださった、選んでくださったということを信頼してそのままの自分をぶつけてみようと思って踊りました。
ーーー舞台で踊ることと、カメラの前で踊るということの違いはありましたか?
撮影の時には、大きなスタジオの真っ白な舞台にカメラがあってスタッフの皆さんが見ていましたが、その目がレンズであろうが、人の目であろうが人の前にさらされて自分をぶつけるという行為に関しては舞台上でも同じなので、踊っている最中は「これは映画だな」というような差異は全然感じませんでした。
ーーー「46億年の恋」について、一観客としてご覧になってどのように感じられましたか?
(出演しているので純粋に一観客になれるかどうかは微妙ですが)
驚いたのは映画でありながら、現代演劇を観ているような空間のあり方で
自分自身が思い描いている映画というメディアのあり方と違うところに映像があって・・・抽象的であるし、美的であるし、あるひとつの心象風景があってその舞台をいろいろな角度からいろいろなアングルで捕らえている感じは舞台そのものであったし、闇の部分、見えない部分がすごく想像力を刺激する映画だと思いました。
ーーー「46億年の恋」をこれからご覧になるお客様にひとことお願いします。
皆さんの想像力をすごく問われる映画だと思うので、何かが飛んでくるのを待たずにこのスクリーンの中にある闇のある部分に何かを想像しながら見ると面白いと思います。
ーーーNoismについて。
Noismという集団は新潟市民芸術文化会館の舞踊部門の芸術監督に就任した時に、自分自身が日本において必要なプロフェッショナルなダンスカンパニーを作るべきだと提案して、新潟市と一緒に立ち上げた集団です。ですから朝から晩まで給料をもらってダンスをしています。
ここ日本ではダンサーや振付家は沢山いるのですが、劇場専属のカンパニーで、ダンサーが公的資金に支えられて朝から晩まで活動する環境も与えられているという例はNoismしかありません。
ただNoismだからできるということではなくて、これがきっかけとなって日本でも劇場の中に専門家集団がいて、その人達が朝から晩まで芸術や表現について模索して追求していくような文化のあり方自体が、この国にも早く根付けばいいなと思っています。
ーーーNoism新作公演「TRIPLE VISION」について。
3人の振付家による構成で3つの作品をご覧いただける公演です。
(自分以外の)2人の振付家は、10代でヨーロッパに渡って10年間活動して行く中で出逢った日本人のダンサーなんです。
全く同い年で、日本で男の子がバレエをはじめるということが極めて稀なことでその時点でも運命を感じるのですが、実際に行ったスクールの一つ下に稲尾さんが入ってきたり、オランダのカンパニーをやめる時に大植さんが入ってきたり、すごく近いところを通ってきた心の通える親友でもあり、同時に一人の作家としてもリスペクトできる人たちです。
私たち3人が10代で日本を離れて欧米でダンスに触れてものを作ろうと思うに至ったことは、異なる作風ではありますが、こうして流れている時代の中に、自分達が感じるもの、見る物には共通事項があってそれを皆さんと一緒にこの公演で共有したいと思います。
ーーー金森さんには演出・振付家と、ダンサーという両面をお持ちですが、今回はどのような心構えで準備をされているのですか?
自分自身は自分の作品に出演するのは嫌なので、ゲストを招いた時にカンパニーのメンバー共々ダンサーとして純粋に舞台に立ちます。
今回は(自分の作品は再演なので)純粋にダンサーとして振付家の求める世界を理解して、振付家のために身を捧げる作業を楽しんでいます。作るのと踊るのでは全然使う脳みそが違います。
このあと今後の予定のお話もありました。来年にはNoismとして初めての海外ツアーもあるそうです。楽しみですね。
皆様もぜひスケジュールをチェックして映画のスクリーンの中と舞台の上、全く違った場所で金森さんとの出会いを楽しんでみて下さい。
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