第1回ダンス・クリエーション・アワード(D.C.A.)が9月16日、17日の両日にわたって開催された。これは斎藤千雪を代表とするD.C.A.実行委員会が開催したもので、ジャンルにかかわらずプロも自由に参加できるオープンなダンスの創作力を競うコンペティションだ。
他のイベントと同様に準備段階で震災が勃発して、当初の計画より若干の修正を余儀なくされたが、関係者の努力により無事、開催にこぎ着け、私も審査員の末席に座らせていただいた。このところ様々なコンクールが盛んに行われているが、その中でもD.C.A.は、創作にしぼった新しい試みのダンス・コンクールだ。
ジュニアAとB、創作と参加者の年齢による区分を設け、持ち時間はジュニアが3分、創作が8分だった。ビデオ審査を経た86組のうち、怪我のためにやむを得ず欠場した1組以外のすべての参加者がオリジナルのダンスを披露した。確かに最近のダンスの「トレンド」も感じられたが、ジャンルに囚われることのない自由に刺激されたのか、自身の心に忠実に舞台イメージを創っている、と感じられる好感触の作品が多かった。
日本のダンスはどちらかと言えば振付を踊る能力よりも創作の力が弱い、と言われてきた。しかし近年では、ヒップホッップやストリート・ダンスがコンテンポラリー・ダンスとコラボレーションしたり、あるいはショーやミュージカルのダンサーたちがオリジナルのダンスを発表したり、とジャンルの混交がダンスの創作を身近な存在にしている。そのためか、日本でもダンサー・振付家として活動していきたいという人たちが増えてきている。
今までも振付コンクールも行われていたが、どうも既成のダンスの意識が働いて、今日の創作に対応しているとは思えなかった。その点D.C.A.は、テレビや演劇などのパフォーマンスのディレクター、ブロデューサー、演出家、グラフィック・デザイナーなどの他ジャンルの審査員と舞踊の専門家が審査、協議するもので、広い視野を持って創作の力を選び出すことを目指した。実際、最終日の出場者と審査員のトークタイムでは、舞踊家としての自分を評価してもらいたい、という気持ちを込めて語りかけてくる参加者が多かった。
ジュニアの持ち時間は創作よりもかなり短かったが、エネルギーは負けていなかった。特に上位入賞者は、舞台に登場しただけで自身にそなわった天性のリズムをアピールしていた。かつては黒人やブラジリアンなどのリズム感には日本人はついていくのは無理、と言われたものだが、どうしてどうしてヒップホップやストリート系では、日本人の身軽さとイマジネーションの豊かさが際立ってきているのでないだろうか。
創作の1位となった『The Last Dinner』は、ヴィジュアルも迫力があり、グループの動きやフォーメーションもインパクトの強いダンスだった。創作のエネルギーをさらに発展させて欲しい、と思った。また、今回参加作品中では唯一のポストモダン作品『ナマエヲヨンデ』には心を惹かれるものがあった。かつては最先端といわれたポストモダンダンスもその後に興って隆盛を極めたヌーヴェル・ダンスも今や昔日の面影はない。しかしダンスを踊る純粋な心さえ失わなければ、やがて創造の神様が微笑みかける日が訪れる、と語りかけたくなるような一輪の花だった。
| チャコット賞 | 導者賞 |
| ブラボー賞 | ブラボー賞 |
| ベラルーシ、コンテンポラリー・ダンス・フェスティバル招待 | ||
©Dance Square | ©Dance Square | ©Dance Square |
◎第2回ダンス・クリエーション・アワードは、
2012年8月1、2、3日にJR亀有駅隣接の「かめありリリオホール」で開催されることが決まりました。
詳細は後日発表されます。