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針山真実 
[2017.04.18]

YAGP 2017 ニューヨーク・ファイナルを観て感じたこと、ダンサーたちのこと

今年の日本人決戦進出者は例年に比べると女子の通過者が特に少なく、これまで優秀なアジア人が多く通過してきたのですが今年は韓国人、中国人も少なかったので驚きました。それだけ世界中から才能溢れる子たちが集まったのだと思います。

日本人ダンサーを見て共通しているところは、良くレッスンし、良く踊りとステップを理解し、正確に踊っているところです。丁寧にリハーサルを繰り返し行ってきたことが分かります。
だから勢い余ってバランスを崩すなどの無茶は無し、見ていてハラハラしません。

決戦を見て、また受賞したダンサーを見て感じたのは、このコンクールで最終的に審査員に好まれて選ばれるダンサーは、純粋に純粋なバレエを踊ることだと思いました。最終的にやはり大事なのはバレエの本質を見せること。
どのヴァリエーションにしても回転数や180度足が上がるかではありません。わずか1分から2分間という短いヴァリエーションで、どれだけ完璧にテクニックを見せるかが決め手、と思われるかもしれませんが、そうではなくその1分や2分の中でいかにバレエの本質を見せるかだと思いました。だからどれだけ観客に受けても審査結果は違います。世界の著名スクールの先生方が審査するのですから当然かと思います。

バレエの基本ポジションを理解していること、いつもそれらのポジションを正確に自然に使うことが出来ること、アンデオール・ターンアウトが出来ていること、ポアントワークが丁寧なこと、そしてステップとステップの繋ぎが美しいこと。

その証拠にシニア女子の一位のグロリアは、ニキヤのヴァリエーションにはターンもジャンプもありません。丁寧さとコントロールが必要とされ、誤魔化しの効かない踊り、これを如何に踊るかは10代には難しいことです。
ジュニアでグランプリになったマディソンは、エスメラルダのヴァリエーションでかなりのテクニックを見せましたが、彼女の場合も基本が出来た上でのテクニックでしたのでグランプリに選ばれて納得です。

Gloria-Benaglia-VAM.jpg グロリア・ベナグリア
シニア女子の部1位
(バヤデールよりバリエーション)
写真:VAM Productions
Madison-Penney.jpg マディソン・ペニー
ジュニアの部グランプリ
(エスメラルダよりバリエーション)
写真:VAM Productions

ジュニアで一位の三宅啄未もとても正確で基本を丁寧に使った踊りでした。この年齢の男の子で、ここまでのレッスンが出来ているのは指導する先生と本人のハードワークがあってこそだと思いました。
シニア一位の倉智太朗は、さらにその上でテクニックを磨いていると思いました。
2人ともアンデオールが出来ていて爪先も良く伸び、プリエの使い方、一つ一つのポジションもとても正確で綺麗でした。その上でテクニックもしっかりコントロールができていました。

女子ファイナリストの共通点ですが足が綺麗。近年特に足の膝が入り甲のしなるバレリーナが増えていますが、ファイナルに残る必須条件のように見えました。
こればかりはある程度持って生まれた体の条件なので、多くのダンサーにとって難しい悩みだと思います。
甲トレーニングや甲ストレッチをする方法、またポアントシューズを改良して自分の足にフィットさせる方法も進化しているので、バレリーナを目指す子供たちは工夫と努力をして頑張ってほしいと思いました。

Hanna-Park-VAM.jpg ハナ・パーク
ジュニア女子の部1位
(エスメラルダよりバリエーション)
写真:VAM Productions
Lazaro-Corrales-VAM.jpg ラザロ・コラレス
ジュニア男子の部2位
(ドン・キホーテよりバジルのバリエーション)
写真:VAM Productions

コンテンポラリー・ダンスに関しては、印象に残る作品と言うことがまず大事だと思いました。斬新でユニークで音楽選びも大事です。そして如何に体が使えるか、バレエとは対照的に全身を激しく使い、身体の可動域、身体能力を体力の限界まで見せること。それらを引き出してくれる振付家との出会いも大切ですね。
今回のユース・アメリカ・グランプリのガラパフォーマンスでは、半分以上がコンテンポラリーの作品でした。近年バレリーナを目指すにはコンテンポラリーは必須条件です。いろいろな動きに対応できる様にコンテンポラリーのレッスンと体を鍛えることが必要だと思いました。

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