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文・撮影/針山 真実 
[2014.03.11]

ベルリンのコンクール「インターナショナル・ダンス・フェスティバル・タンツォリンプ」

アナニアシヴィリ、マラーホフのワークショップも行われたベルリンのコンクール「インターナショナル・ダンス・フェスティバル・タンツォリンプ」をレポートします。

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2014年2月18日〜22日にかけてドイツのベルリンで開催されたバレエを中心としたコンクール、インターナショナル・ダンス・フェステバル・タンツォリンプに行ってきました。

2月17日、朝9時にベルリンの空港に到着。コンクールがオフィシャル・ホテルとして使用しているホテルにチェックインしました。ホテルのロビーにはこのコンクールに出場する参加者たちでいっぱい。
17日には、早速、出場者のステージリハーサルがあるため、会場へ移動。ホテルからは20分ほどの所にあります。
このコンクールは2曲のヴァリエーションを同じ日に踊るのですが、リハーサルは1曲のみが許され、2曲目は出だしの確認のみでした。

2月18日
午前9時から参加者のためのワームアップレッスンが行われました。ウォームアップ・スタジオのバーが足りず、参加者は椅子の背もたれを持ってレッスン。
10時より審査開始。
審査員には、昨年ローザンヌ国際バレエコンクールの審査員も務めたプリマ、ニーナ・アナニアシヴィリの姿もありました。
ステージと客席がかなり近かったため、審査員には表情や足先、手先の細かい使い方までよく見えたと思います。
この日は1日かけてクラッシック・バレエとコンテンポラリー、モダン・ダンスの部の審査が行われました。

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2月19日
ベルリンの美術館めぐりをしました。コンクールに出場している人は美術館に無料で行ける特典があります。
このコンクールは、州立または国立バレエ・スクールの生徒と、私立のバレエ・スクールの生徒の部門が分かれています。
日本のバレエ・スクールはほとんど個人が主催しているので私立のバレエ・スクールのエントリーとなります。この日は州立、国立バレエ・スクール部門の審査が行われました。
州立、国立となると毎日レッスンがあり、生徒も選ばれて入学した生徒なので踊りの質が丁寧で、生徒たちは年齢相応にテクニックを無理に増やしたりせず、丁寧な踊りを見せていました。やはり基本的なポディションを正確にレッスンしていることがわかる踊りで、その中で完成度が高かったのは韓国からの出場者でした。日本からヨーロッパに留学している生徒たちも出場していました。

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2月20日
この日のコンクールはグループダンス、そして民族舞踊部門が行われました。
グループダンスは2人から多いものは20人以上のダンサーがいて、子供たちが活き活きと楽しそうに踊っているのが印象的。小さな子供たちをここまで揃えて踊るように指導するには、かなり厳しいレッスンが積まれたと想像します。

民族舞踊部門が珍しかったです。
参加者の多くがロシアから。コサックダンスやグルジアの民族舞踊など日本ではなかなか見られない珍しい踊りでした。
会場にはオリンピックの開会式にも出場されていた、ロシア・バレエ界、世界のダンサーから尊敬されるワジム・ワシリエフの姿もあり、ロシアのダンサーたちに取り囲まれ写真撮影を頼まれていました。

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夜はコンクール主催のワークショップでした。
審査員のニーナ・アナニアシヴィリとベルリン国立バレエ団の芸術監督のウラジーミル・マラーホフのワークショップです。

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アナニアシヴィリはテキパキと要所を要所をしっかりと注意し、コンクールで彼女が感じた注意点も生徒たちに話しながらエネルギッシュなレッスン。
「5番ポジション!! 5番! 5番! 5番!!」
「かかとを前に。かかとを前に」と何度も何度も子供たちに注意しました。
ヴァリエーションの途中で出てくる5番ポジションやスッスと、立ち方が揃っていない子が多いことを指摘していました。また「後ろに反ってしまっている子が多い。反らない!反らない!」と何度も注意されました。

マラーホフのレッスンはコンビネーションが少し複雑で、おそらく受けた子供たちにとっては難しかったかもしれません。いつもと違った流れのコンビネーションでも、頭を使ってすぐに覚えなければいけません。
センターの途中でマラーホフが先生たちに向かって「指導者がこうだと言ったコンビネーションを子供たちが勝手に簡単にしている。これは許されることなのでしょうか」と言ったことが頭に残りました。
そのコンビネーションにはアントルシャ・シスという足を空中で打つジャンプが入っていました。それを打つ回数を減らしてロワイヤルにしている生徒たちがいることを、マラーホフが指導者たちに向けて指摘していました。
コンクールの参加者たちにはとても有意義なワークショップだったと思います。

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2月21日
スカラシップ・オーディションがありました。バーには隙間の無いほどぎっしりと生徒たちが並んでいます。ジャッジが前に座って生徒たちを見ています。
このようなことを経験して大勢の中で自分をアピールすること、自分を光らせることを身につけることになるでしょう。
オーディションにはいち早く振りを覚え、正確にそして美しく自分を見せてアピール出来ることが必要です。
ほとんどの生徒が黒のレオタードでしたが、この日は指定のレオタードが無かったので、中には白やピンクのレオタードを着た子もいて目が行きやすく、レオタードの色選びも重要だと思いました。

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夜は授賞式が行われ、そのあとガラ公演も行われました。
驚いたことに今回参加した私の生徒が2位を受賞しました。
ガラ公演は1位を受賞したクラッシック・バレエ・ダンサー、コンテンポラリー、民族舞踊、グループダンス、と受賞者の踊りを見ることが出来ます。
しかし残念なことに、ガラ公演のステージがとても踊りにくそう。ジャンプをすると大きな音がなり回転もスムーズに決まりません。このステージはダンス用には作られていないと思います。せっかく受賞したダンサーたちが踊るのに思い切り踊れていないのが残念。更に照明がとても悪くて、初めは何かの間違いかトラブルかと思いましたが、最後まで変わらない照明でした。どうしてこのようなライティングで踊っているのか理解しがたいガラ公演で、何とも後味の良くないコンクールのエンディングとなりました。
素晴しかったのはコンテンポラリー・ダンスを踊った韓国人の受賞者2人。この二人のレベルには圧倒的な差があり、選曲も振付もたいへん良かったのです。韓国のコンテンポラリー・ダンスのレベルの高さを見せられました。
またベルリン国立バレエ学校の生徒が踊った『瀕死の白鳥』の演技が素晴らしい出来栄えでした。