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里信邦子 
[2018.02. 3]

ローザンヌ国際バレエコンクール2018 森脇崇行と大木愛菜が決勝進出!

第46回ローザンヌ国際バレエコンクールの準決勝が2日行われ、世界16カ国74人の中から21人の決勝進出者が選出された。日本からは広島市・小池バレエスタジオの森脇崇行(15)と大木愛菜(17)が選ばれる快挙となった。今年はシニア部門・男子のレベルが高く、観客から拍手とブラボーの歓声が何度も起こった。

PdL2018sf108.jpg 森脇と大木、日本の報道陣のインタビューに応える
撮影/里信邦子

ジュニア部門・男子で踊った森脇崇行は、クラシックのポジションをきちんと決め、表現力豊かにきれいに仕上げた。森脇が踊り終わるや、それまでのダンサーには小さな拍手だけだったのに、割れるような拍手に加えウワーといった驚嘆の声があがった。コンテンポラリーでも観客は大きな拍手を贈っている。
森脇のクラシックのコーチを務めたパトリック・アルマンは、初日に「彼は繊細できれいな踊りができる。僕は昨年12月に日本で彼をコーチしたので、その時からすごいと思っていた」と語っている。
本人は、「今日は自分のベストではなかったが全く緊張せず、楽しく踊れた」と語り、明日はベストを尽くしたいと話した。
森脇には初日から、与えられた振りをコーチの先生や仲間のダンサーに何度も聞いて確認するなど、意欲的で多くのことを吸収しようとする姿勢がはっきりと見て取れた。

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森脇崇行のクラシックのヴァリエーション 撮影/里信邦子

シニア部門・女子の大木愛菜は、クラシックでは腕で大きな円を描くようにゆっくりと優雅に、それでいてきちんとポジションを決めながら気品ある踊りを展開した。本人は身長を気にしているが、それを全く感じさせない「大きな踊り」だった。コンテンポラリーも細かな部分を決め、テンポにメリハリをつけ踊った。割れるような拍手は大木にも贈られた。
森脇と同様に大木は「今日は楽しめて踊れたし、明日も落ち着いて楽しく踊りたい」と話した。大木は、小池バレエスタジオからジョン・クランコ・スクールに留学して今年で5年。そのせいか、この6日間のコーチの間でも全く緊張した様子は見られなかった。そして「今年はジョン・クランコ・スクールを卒業するのでカンパニーを探している。ローザンヌに参加したことで、その機会が与えられたら嬉しい」と語っている。

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大木愛菜のクラシックのヴァリエーション 撮影/里信邦子

シニア部門・男子のレベルが高い
今年、シニア部門・男子では、完成度の高い踊りを披露するダンサーが多く、ブラボーの歓声が何度も会場に響いた。決勝進出者21人中に選ばれたカナダ人のシェイル・ワグマン(17)もそうしたダンサーの1人。現在プリンセス・グレース・アカデミーで勉強している。「ローザンヌでは自分のエネルギーを最高度に集中させる方法をクラシックのコーチのパトリックから学んだ」と言っていた。大きな拍手が会場から起きたことを伝えると、「今日は最高ではなかったが、自分の持っているものを全て出そうと努力した。それに観客が応えてくれたのだと思う」と語った。

やはり決勝進出者に選ばれたワガノワ・バレエ・アカデミーで学ぶエルヴィン・ザギドゥルリン(18)も、完璧なテクニックに支えられた美しいクラシックのヴァリエーションを踊り、コンテンポラリーでも同じような完璧さと安定さを披露。ブラボーの声は鳴り止まなかった。

ところで、素晴らしい踊りを見せたのに21人中に選ばれなかった、例えばYarita Yu ballet studioの大岩詩依のような生徒に対し、元パリ・オペラ座のエトワールでクラシックを18年間コーチしてきたモニク・ルディエールは、次のように語り激励した。「たとえ選ばれなかったとしても、この7日間はバレエ人生での贈り物だ。トップの先生に指導を受けテクニック的に伸びるだけでなく、与えられた動きに柔軟に対応したり、様々な情報にも対応したりと、毎日いっぱいの刺激をもらう。選ばれなかったのは、たまたま選んだヴァリエーションが良くなかったとか、本当は持っている能力をまだ発揮する段階に至ってなかったとか、いろいろな偶然の要素が重なったからだ。これでバレエを諦めてはいけない。人生はずっと学び続けるものなのだから」

PdL2018sf103.jpg 決勝進出者21人が円陣を組む 中央は審査委員長のテッド・ブランセン(オランダ国立バレエ芸術監督)
撮影/里信邦子

 

(妹尾直子・記)
◆第46回ローザンヌ国際バレエコンクール準決勝通過者
●ジュニア女子

112. パク・ハンナPARK Hanna / 韓国 / 15.5歳
115. イレーン・ヤンYANG Irene / カナダ / 15.8歳
125. テン・ロンゲTENG Ronger / 中国 / 16.2歳
126. クロエ・ミセルディンMISSELDINE Chloe / アメリカ / 16.3歳
134. グオ・ウェンジンGUO Wenjin / 中国 / 16.8歳
135. アヴィヴァ・ゲルファー=ムンドゥルGELFER-MÜNDL Aviva / アメリカ/ 16.1歳
●ジュニア男子
201. フィニアン・カルメシCARMECI Finnian / アメリカ / 15.2歳
203. 森脇 崇行MORIWAKI Takayuki / 日本 / 15.8歳
206. マカニ・イェーグYERG Makani / アメリカ / 16歳
207. リ・ユンスLEE Junsu / 韓国 / 16.1歳
210. エリック・スナイダー SNYDER Eric / アメリカ / 16.1歳
●シニア女子
301. シュウ・チンイー XU Jingyi / 中国 / 17.3歳
303. カロリネ・ガウボンGALVAO Carolyne / ブラジル / 17.5歳
309. チャオ・シンユエZHAO Xinyue / 中国 / 17.11歳
310. 大木 愛菜OKI Aina / Japan / 18歳
313. ナム・ミンジNAM Minji / 韓国 / 18.5歳
●シニア男子
407. シェイル・ワグマンWAGMAN Shale / カナダ/ 17.9歳
409. エルヴィン・ザギドゥルリンZAGIDULLIN Ervin / ロシア / 18歳
412. ミゲル・アンヘル・ダビド・アランダ・マイダナARANDA MAIDANA Miguel Angel David / パラグアイ / 18.6歳
413. ダヴィデ・ロリッキオLORICCHIO Davide / イタリア / 18.7歳
416. ルーカス・バレマンBAREMAN Lukas / ベルギー / 18.1歳

コンテンポラリー作品(ルイーズ・ドゥルー Louise Deleur, リチャード・ワーロックRichard Wherlock、ヨルマ・エロJorma Elo、マウロ・ビゴンゼッティMauro Bigonzetti 、ウェイン・マクレガー Wayne McGregor)

◆第46回ローザンヌ国際バレエコンクール本選審査員
・審査委員長:テッド・ブランセン(オランダ国立バレエ芸術監督)
・副審査委員長:ニーナ・アナニアシヴィリ(ジョージア国立バレエ芸術監督)
・加治屋 百合子(ヒューストン・バレエ プリンシパル・ダンサー。2000年度ローザンヌ国際バレエコンクール ローザンヌ賞受賞)
・ダヴィット・カラペティアン(ペンシルヴェニア・バレエ・アカデミー芸術監督。1999年度ローザンヌ国際バレエコンクール ローザンヌ賞受賞)
・ビルギット・カイル(マンハイム・アカデミー・オブ・ダンス校長)
・オリヴィエ・マッツ(チューリヒ・ダンス・アカデミー校長)
・リサ・パヴァーン(オーストラリア・バレエ・スクール校長)
・クリストファー・ストウェル(ナショナル・バレエ・オブ・カナダ副芸術監督)
・デミス・ヴォルピ(振付家およびオペラ演出家)

◆ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト
https://www.prixdelausanne.org/
公式サイトにてライブ映像も視聴できる。