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針山 真実 
[2016.05. 1]

ユース・アメリカ・グランプリで日本人11人がニューヨークファイナルに進出!!

ニューヨークでは4月22日から29日までユース・アメリカ・グランプリ・ニューヨークファイナルが開催されています。9歳から19歳までのダンサーが全国35か国から参加しています。
若いダンサーの才能と将来性を発掘し、また世界のバレエ・ネットワークを繋げていくことを意図したコンクールで、参加者は世界の著名バレエ学校のスカラシップや入学許可を得られるチャンスがあります。世界最大のスカラシップ・オーディションをかけたコンクールとされています。

ここニューヨークファイナルに参加出来るのは全国で開催される予選を通過したダンサーたち。そしてニューヨークファイナルの参加者の中でさらに予選が行われ、最終的に厳選されたダンサーのみがニューヨークファイナル決戦に出場出来ます。この決戦に残ることはかなり狭き門でとてもハイレベルなコンクールです。
今年はこの決戦に留学生を含む11名の日本人が進出しました。

日本人決戦進出者
ジュニア女子の部

Kotomi Yamada (13)  Yamada Chie Sunny Ballet School
Eri Shibata (14) Kaneta Kouno Ballet Academy
Reina Tanaka (14) Etoile Ballet School
Yuka Masumoto (14) Kishibe Ballet Studio

ジュニア男子の部

Itsuku Masuda (12) K Classic Ballet Studio
Ryo Hinoue (12) S. Ballet ART
Remina Tanaka (14) Soki Ballet School

シニア女子の部
Mitsuki Noda (15) Soda Ballet School
Yuka Iwai (18) Joffrey Academy of Dance

シニア男子の部
Motomi Kiyota (15) Mitsuko Inao Ballet School
Jun Masuda (15) Variation Ballet School


今年も全国からとてもハイレベルなダンサーたちが揃いましたが、今年は特にジュニア、シニア共に男子のレベルの高さに驚きました。
パリ・オペラ座バレエ学校、ロイヤル・バレエ学校などを始め世界のバレエ学校、バレエ団から集った審査員が客席の中央に2列に並んで着席し、客席の2階にはコンクール参加者たちが決戦進出者を見るために集まって、上階からは熱気と興奮が伝わってきました。
私が決戦を見た全体的な感想は、ここに進出するには基礎がしっかりと身についていること、ターンアウトや足先の使い方が身体に染み込み、また一つ一つのポジションや5番ポジションが正確で丁寧なこと、必要以上なアピールはせず個性と表現力を持っていることです。そして特に決戦に残った女子は、全員と言ってよいほど身体条件に恵まれていると思いました。

※クリックで拡大します
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山田 ことみ (C) VAM PRODUCTIONS

ジュニアの部で『エスメラルダ』のヴァリエーションを踊った山田ことみさんの表情と笑顔はとても自然でとても良い表現力でした。初めのエシャッペ、アラセゴンドのポーズ・ラインはとても綺麗で、ピルエットはトリプルを余裕のあるバランスと軸でフワリと回って見せ、最後の連続のバロネでは芯の強さと美しい足のラインを十分に見せ、音楽通りにバランスを取ってタンバリンを叩ける人はプロでもなかなか見ることがありませんが完璧でした。最後のフィニッシュを気持ちよく決めると会場がいっせいに大きく沸きました。
『パキータ』よりエトワールのヴァリエーションを踊った柴田 英里さんは腕が長く美しい容姿のダンサー、足のラインも甲がしなって美しい。
出だしのアントルシャ・シスがとても綺麗で終盤のアンデオール・ターンはトリプルをきっちりと回転し、芯の強さを見せました。

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柴田 英里 (C) VAM PRODUCTIONS

グリーンの鮮やかな衣装で『エスメラルダ』のヴァリエーションを踊った田中 玲奈さんは足が長くスラりとしたダンサー。日本人離れした長い腕に長い足、柔らかな甲と伸びた膝で一つ一つのポーズが美しく決まる。アラセゴンドのラインもとてもターン・アウトされていて美しさが印象に残る。しなやかな踊りでエレガントなエスメラルダでした。
『パキータ』よりエトワールのヴァリエーションを踊った升本結花さんは舞台経験が多いのか天性なのか客席への見せ方がとても良く、表現力と自然体な客席へのアピールが素敵でした。大人びた踊りをするダンサーで軸が強く安定した3回転ターンを決めとても堂々とした踊り。

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増田 慈 (C) VAM PRODUCTIONS

ジュニアの男子の部。身体はまだ小さく12歳なのに踊りはプロ顔負けのとても12歳とは思えぬ少年たちが次々に会場を沸かせました。
『ラ・バヤデール』よりソロルのヴァリエーションを踊った増田慈君は高いジャンプでカブリオールもしっかりと見せ、基礎もしっかりしているので細かいところも綺麗で見ていて気持ちが良い。回転の連続も軸がぶれずしっかりと決まめて会場が沸きました。まだ12歳とは思えない技術で素晴らしいダンサー。
『コッペリア』よりフランツのヴァリエーションを踊った樋上諒君は上半身の使い方が美しい。この歳では指導を受けてもなかなか出来ない表現力がとても良く、彼には天性の華やかさ、表現力があります。生き生きとした踊りで客の心を掴み、基礎もしっかりと出来ていて将来を多く感じました。今後の活躍が楽しみなダンサー。
『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』よりコーラスのヴァリエーションを踊った田中黎水那君は鍛えている体つき。爪先が良く伸び、軸が安定していて踊りに余裕があるので見ていて安心。基礎もしっかりとレッスンしているのが分かります。14歳でも大人びた踊りをするこれからが楽しみなダンサー。

シニアの部女子、『パキータ』のエトワールを踊った野田美月さん、白いチュチュに黒の華飾りが美しい衣装。恵まれた容姿を持ち、長い腕に長い首、胸の使い方が美しく上半身の美しさに目が惹かれます。アチチュードなどのポーズも美しかった。
シカゴのジョフリーバレエから出場した岩井優花さんは、笑顔がチャーミングで表情が良くスワニルダのキャラクターをよく演じて好印象。首、上半身の使い方が大きく、堂々とした見せ方が素晴らしい。コントロールも強く回転もスムーズで安定していて素晴らしい踊り。彼女の今後が楽しみです。

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清田 元海 (C) VAM PRODUCTIONS

シニアの部男子、『タリスマン』のヴァリエーションを踊った清田元海君は初っ端のジャンプの高さに客席がわっと沸きました。その高さと軽さに日本を代表する熊川哲也氏のジャンプを思い出しました。彼ほどのジャンパーはその後もいません。回転のアラセゴンド・ターンも2回転ずつを綺麗にしっかりと決め素晴らしい踊り。
15歳の益田隼君は『ドン・キホーテ』よりバジルのヴァリエーション。彼は去年もこの決戦で見て記憶に残っていますが、またこの1年で確実に進化していました。バジルらしいメリハリがあり、ポーズ一つ一つを格好良く決まっていました。彼のジャンプも高く、飛んでいる最中のポディションも美しい。空中で開脚をするジャンプも180度の開脚を空中でしっかり見せて印象を残しました。

決勝に進出した日本人11名は皆素晴らしい踊りを見せ、表彰式が楽しみ。
なお決戦に残ることが出来なくても希望する参加者は最後の2日間、このコンクール恒例のグランド・デフィレでガラ・パフォーマンスに出演することが出来ます。
200名を超える参加者たちが数日間のリハーサルのみで踊ることが、このコンクールのガラの名物になっています。
(2016年4月26日 BAM HOWARD GILMAN OPERA HOUSE)

YAGP日本事務局ウェブサイトより
YAGP 2016 ニューヨーク・ファイナル 結果速報

◎プリコンペティティブ女性
TOP 12 薬師地 麻央
TOP 12 川本 真寧

◎ジュニア男性
1位 増田 慈

◎ジュニア女性 
2位 柴田 英里  
3位 山田 ことみ  
TOP 12 田中 玲奈

◎シニア男性
3位 清田 元海

◎アンサンブル
2位 LuCiA Ballet Dance Studio
3位 金田こうのバレエアカデミー
TOP 12 れい美花ダンススタジオ