解説:文葉

レオタード

(leotard)

 ここ、バレエ・ダンス用品店「チャコット」のウェブマガジンで説明するまでもない…ので すが(笑)、身体に密着するようにできた上下続きの衣服のこと。ほとんどはダンスのレッス ンウェアを指す。脚まで覆うタイプ、いわゆる「総タイツ」はユニタードといいます(チャコ ットではオールタイツとも呼んでいます)。語源は、19世紀フランスの空中曲芸師であるジ ュール・レオタール Jules Leotard(1842-70)の名前から。華麗な軽業で人々をとりこにす る彼の身につけていた服が「レオタール」と呼ばれはじめ、フランス語読みから英語読みにな って「レオタード」となりました。
  クラシック・バレエ、新体操、器械体操、フィギュアスケート、チアリーディング…。稽古着にも衣裳にもなるレオタードですが、ジャンルを問わずダンスをする人にとって「戦闘着」であることには変わりないのではないでしょうか。自分との戦いにもがき苦しむリハーサル中も、お気に入りのレオタードなら克己心や情熱も湧いてくるでしょうし。衣裳としてオーダーメイドしたならば着るだけで自然と気持ちも高まり、最高の演技をするのに一役買ってくれるものです。
  レッスン着としてのレオタードは1920年代以降に登場します。それまでは、エドゥアール・ドガの絵画を思い出してみればわかりましょう。コルセットにガードル、モスリンのスカートをはいてお稽古。私は何度も舞台をすぐに控えた踊り子たちの絵だと勘違いしてしまった…。そして、バレエの練習着と定着したレオタードを劇場に持ち込んだのは、20世紀の偉大な振付家、ジョージ・バランシン! それまで綺麗なチュチュやらデコラティヴな衣裳を着てきたバレリーナや男性舞踊手たちは、もはやごまかしが利かない状況に追い込まれてしまうのです。バランシンの名作「アゴン」は、アスリートさながらのダンサーたちが技を競うように踊る作品。華やかな衣裳にも幻想的な演出にも頼らず、真摯に厳格にバレエのテクニックと音楽、リズムに立ち向かい、まさに「戦闘」しているようなエキサイティングな舞台が広がります。
  色、形、袖や首まわりのデザインと、ちょっと変えるだけでレッスン熱は左右されちゃうものですよね。首周り・襟ぐりだけでもバリエーションはいっぱい! キャミソール(オペラ)、タンク、丸首、Vネック、スタンドカラーも。それに、袖の長さも様々です。お気に入りに出会うまで探し回るのも、バレエを習う楽しみの一つではないでしょうか。