タイトルロール(英/title role[part])

作品のタイトルが人物名の場合、その役自身のこと。
演劇、オペラといったパフォーミング・アーツや映画の世界で(場合によっては文学の世界でも?)使われる用語です。

英語を直訳すると、タイトルになっている役。ほとんどが「主役」であることが多いけれど、バレエ『ドン・キホーテ』ではキトリとバジルの方がメインであるように、「タイトルロールだから主役」という方程式は必ずしも当てはまるわけではありません。
また「役名ではないけど、タイトルロール」ということもあります。
作品名が誰かを形容するもの、代名詞になっている場合がそう。例えば『眠れる森の美女』といったら、主人公のオーロラ姫を指し、タイトルロールになります。

個人的に、タイトルロールという言葉は、「主役を演じる」以外にプラスαの意味をはらんでやや重く響きます。
題名が人名、というシンプルな表面に反比例して中身はドラマティックなことが多いから? 作品名が「この人の行動から心の機微まで描きます。この人魅力的でおもしろいの!」「役名=作品世界を代表してます!」と訴えているように思えてきてすっごく期待しちゃうから? 観る側がこうなのだから、演者にとってはその役がもっともっと重大な意味を持ち、やりがいもあるんでしょうね。
演出が違う場合はもちろん、演出は同じでも演じ方、役者のキャラクター次第で作品が別物に見えてきますもの。

ちなみに、roleがrollになると、映画やテレビにある作品冒頭の、作品タイトルや主なスタッフ・キャストのクレジットを流すテロップを指しますので、あしからず。

 

[解説]
文葉

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