解説:文葉

パ・ドゥ・ポワソン(仏/ pas de poisson)

直訳すると「魚のステップ」。
水面から跳ねあがったり、釣りあげられたときに尾ひれをぶんぶん振るっていたり、魚が身体を反らせている様子をポーズとして組み込んでしまったパで、飛ぶパであるスーブルソーの一種です。パ・ドゥ・ポワソンが印象的に扱われていて有名な踊りと言えば、『眠れる森の美女』のブルーバード、男性のヴァリエーションではないでしょうか。出だし、「パ・ドゥ・ポワソン」→「アッサンブレ」の組み合わせが繰り返されますよね。

5番ポジションドゥミ・プリエから両足で飛び上がり、足を取り換えずに下りてくる中で、飛んだ頂点で両足をまっすぐ伸ばしそろえたまま後ろへ、背中を反らせて弓なりになったポーズを見せます。この「弓なり」が魚、ポワソンなんです。パのダイナミックさからも男性のジャンプに組み込まれます。

パ・ドゥ・ポワソンの他にも、グラン・パ・ドゥ・シャやジュテ・アントルラセ、アントルシャ・シスなど、大きな飛ぶパは飛び上がった頂点で身体を浮かせ滞空時間を長く保たなければできませんね。パ・ドゥ・ポワソンは、弓なりにするため強靭な背筋も必要ですが、大きな飛ぶパで滞空時間を1ミリでも長くするためには、体幹のインナーマッスルで身体を引き上げることが最も大事。クラシック・バレエの永遠のテーマ、重力からの解放、重力への抵抗はどんなパにも付きまとってきますが、「飛ぶ」という力仕事ではより重要だなと実感します。落下しようとする重い身体を空中にいさせるのは、そりゃ大変です。飛ぼうとして上半身を固めることなく、肩を落とし上半身はリラックスして、でもお腹のインナーマッスルと、背面、特に肩甲骨の間から首にかけての背骨をまっすぐ上に引き上げるように意識すると飛び上がりやすいと思いますが…、いかがでしょう。