解説:文葉

フィギュアスケート(英/figure skating)

普段は舞台やバレエの用語解説を行っている本欄ですが、今回は特別に、舞台から氷上に目を移し、きっとファンの方も多いでしょう、“氷上の芸術”フィギュアスケートの気になる「あれ」を学んでみました。

●フィギュアって?

氷の上を華麗に舞うフィギュアスケート。そもそも、フィギュアって何だろう。お人形のフィギュアじゃありませんよ。英語で「図形」という意味。図形を描くことに点をつける、つまり、氷の上の時空にどれだけ洗練された滑らかラインで流麗に図形を描いていけるかが問われるスポーツということでしょうか。そう考えると、ジャンプ、スピン、ステップの規定要素で構成されているプログラムは、要素単体で輝いていても駄目で、それらの要素を点とするならば、点と点を結ぶ線も美しさも評価の対象になるってことなんでしょう。「スケーティングも伸びがあって綺麗です」とテレビの解説で聞いたことがありますが、ガタついたり、凸凹したり、気持ちの良いスピードに乗っていなかったりは、フィギュアスケートの美とは認められない。実際、現行の国際スケート連盟が規定しているフィギュアスケート競技の採点法を見ても、技術点、構成点、ディダクション(減点)の3つで、演技を評価しています。しかも、それらの総合点で同点だった場合は、構成点の高い方が上の順位になるのだそう! 

技術点は、「点」=各要素の、基礎点(レベルや正確さ)+出来栄えで評価。
構成点は、「面」=演技全体の流れの評価。
シングルとペアに限って見てみると、構成点は、次の5つの項目で採点されています。
・スケート技術(Skating Skills, 略記号: SS)
・要素のつなぎ(Transitions, 略記号: TR)
・演技力/遂行力(Performance/Execution, 略記号: PE)
・振付(Choreography, 略記号: CH)
・曲の解釈(Interpretation, 略記号: IN)

次回の大会で、「自分流ジャッジ」するのが楽しみになってきました。

ところで、以前、シングルではショートプログラムの前に「規定」と呼ばれた競技種目があったのを覚えらっしゃいますか? 静寂広がるリンクに、選手を囲むように洋服を着た審判がいて、選手はスピードを出して滑るのではなく、慎重に課題の図形(円や8の字)行い、滑った軌跡を審判がメジャーで計測したりしている光景。 この「規定」、コンパルソリー・フィギュア(Compulsory figures)と言い、義務づけられた図形=41の課題を左右3回ずつ片足で行って、その軌跡の正確さ(例えば3周円を描いて、すべて同じラインで滑る)や、滑走姿勢・バランスの良さを競う競技で、競技会では今は行われていません。以前は1968年まで競技全体における得点の6割を「規定」が占め、残りの4割がフリースケーティングだったのだとか。徐々にその比率は変化して、最終的には競技から姿を消し、ショートプログラムが「規定」の要素を飲み込んだ形でしょうか。「規定」は、バレエコンクールで言えば、レッスンでも採点されるイメージです。数ミリの滑走ズレが致命傷になったとか。確かに、バレエでも、ターン・アウトを完璧にして基本姿勢をマスターし、バーレッスンでタンジュが正確にできなければ、踊っても綺麗な脚の軌跡が描けないですものね。規定のような図形を描く練習って、綺麗な滑走のために、バーレッスンのように行ってエッジワークや姿勢の練習してるんでしょうかね。