解説:文葉

パ・ドゥ・バスク(仏/pas de Basque)

パ・ドゥ・バスクは、バスク地方・バスク人のステップという意味で、体重移動を伴うステップのひとつです。グリッサードに似ていて、動きの最初と最後に装飾が着いた…とでも言いましょうか。

まずクロワゼの5番ポジションに立ちます(仮に右足前のクロワゼとします)。前の足(右)をプリエ・ストゥニューで出し、その際アン・バーにしていた両腕をポール・ドゥ・ブラで2番ポジションへ。自分の体の前に足も腕も差し出したような形になりますね。次にドゥミ・プリエを維持したまま、この縮まった体を一気に開きます。腕は左右に開き、体は90度向きを変えもう片方の斜め前におへそを向けた状態に、そして右足は体の真横まで…つまり180度開脚します。そしてここで体重移動。軸足を入れ替えて、プリエ・ストゥニューで伸ばしていた動足(右)に体重を乗せドゥミ・プリエ。新たな動足(左)は勢いを失わせずに1番ポジションでのドゥミ・プリエを通り斜め前へ滑らせて、再び軸足になるように膝を伸ばしてクロワゼ・デリエール。左足前で終わります。ポール・ドゥ・ブラは体重移動の際に一度アン・バーを通って、斜め前に滑り出ると同時に2番を通って左右へ開く、です。

ソ・ドゥ・バスクの欄でも紹介しましたが、バスク地方はスペイン・フランスの境にあるピレネー山脈西部に位置し、バスク人はケルト人よりも早くヨーロッパ圏に移住してきた民族。ケルト文化の息づくスコットランドの民族舞踊にもパ・ドゥ・バスクというステップがあり、バスクの踊りはケルト人にも影響を及ぼしていたということでしょうか。スコティッシュ・ダンスでは真正面を向いたまま左右に飛びながら体重移動をするようですが、バレエではクロワゼに始まりクロワゼに終わるところがエレガンスを感じさせます。ただ、体重移動するところがグリッサードよりもちょっとだけ大変ですけど…エレガントにね、エレガント。