解説:文葉

バロッテ

(仏/ ballotte)

 バロネとちょっと響きが似ていて、どっちだったっけ…となってしまいがちじゃありませんか?
こちらは「揺さぶられた」、バロネは「膨らんだ」という意味のパ。どちらも、脚を大きく使うし、ジャンプしながらすることもあるし、センターのアレグロなど登場の機会も重なることも多くって、つい混乱してしまいます。
  基本動作で比較すると、違いが明らかです。バロネは投げた動足を軸足のクペに戻し、バロッテは軸足のクペに吸い上げてから動足を投げる。逆でしょう。また、バロネは常に身体をほぼ垂直のまま保つのに対し、バロッテはまず体が揺れる。大きく揺れたら自然とおっとっと…と片足でバランスを取ろうとするでしょう。しかも、バロネは前後横と全方向に足を投げますが、バロッテはエファッセに前と後だけ。さらに、バロッテはどちらか一方に連続して行うことはなく、ゆりかごが揺れるように、体が前に傾いたり、後ろに傾いたりが連続する。どちらかにずっと傾いたままのゆりかごだなんて、おかしいでしょう? リズムに合わせて足を伸ばすのが楽しいし、気持ち良く足が伸びるのを見せる訳ですけど、まずは体が揺れるのが肝心。バロネは「よし、足を投げるぞ!」、バロッテは「よし、体を揺らすぞ!」。なんです。
  有名なのは、『ジゼル』第一幕、ジゼルがアルブレヒトと腕をくみようやく一緒に踊りだすところ。投げた足をア・テールにすることもありますが、ここでは大きく空中に投げてますね。飛びあがる力加減や勢いなど息を合わせないときれいなアンサンブルにならないので、とっても自然な二人に見えますが、お互いを思いあってこその振りですよね。『ジゼル』って本当に良く出来てる。