解説:文葉

ジュテ・アントルラセ(仏/ jeté entrelacé)

ジュテ・アントルラセ。この呼び名は、ロシア派のもので、フランス派だと「グラン・ジュテ・ドゥシュー・アン・トゥールナン」、イタリアのチェケッティ派だと「グラン・ジュテ・アン・トゥールナン・アン・ナリエール」。メソッドによって同じパが違う名で呼ばれています。なので、読者の方の中には、ジュテ・アン・トゥールナンやアントルラセと略して呼ばれている方もいらっしゃるかもしれません。
ジュテは「投げられた」という意味で、単体のパの名前になると跳躍するパのこと。大きなもの、小さなもの…様々な「ジュテ」の種類がありますが、総じて、動足を膝は伸ばしたままバットマンすると同時に、軸足で飛び上がり、バットマンした動足で着地する動きを指します。空中にバットマンされた脚、これがまるで放り投げられたように見えるのがポイントですね。
そんなジュテの中でも、跳躍のピークで身体を回転させるのが、この「アントルラセ」です。見た目の印象としては、後退しながら勢いよく飛び上がり、空中で背面に脚2本が順番に振りあげられたよう。つまり、グラン・バットマンを後ろに両脚順番にしながら飛んで、空中で止まっているように見えた。レッスンで初めて遭遇したときはあっけにとられてしまって、一体何が起こったのか、どうしたらできるのか、すっかり動揺してしまったのですが、分解してみればそう複雑な動きではありません。しかし、名前に「アントルラセ」、つまり「交錯させた、組合せた」という形容詞が付いているだけあって、やっぱり一筋縄ではいかない技ですね。
飛び上がる前に助走部分がありますが、シャッセだったり走りこんだりします。この助走でまず身体を180度半回転させ、そして勢いをつけたら、ジュテ。軸足で跳躍すると同時に、動足を思い切り身体の前にグラン・バットマン(例えば、助走で左肩の方へ半回転したら右足を振りあげ、左足で跳躍)。そして、跳躍のピークで身体を再度半回転させ正面を向きます。このとき、高く振り上げた足に追随させる形で、軸足だった方を今度は後ろにグラン・バットマン(左肩へさらに半回転しながら右足を追いかける形で左脚を振り上げます)。これで、正面から見ると2本の脚が背面に振り上げられ宙に浮いているように見えるという訳。その後は、着地態勢に入ります。最初に振り上げた方が自然に下がってきて軸足に替わり着地(右足で着地)。着地時は、2番目に振り上げた脚を空中に上げ、アラベスクだったり、床につけたりいろいろですが、どちらも飛んだまま下りてきたように身体を引き上げておくことが必要です。飛んでから着地まで、身体を十分引き上げて脚をグラン・バットマンさせながら交差させるように意識しないと、まるで、ゴム飛びを思いっきりしたような、何かをまたいでいるように見えてしまうという、不格好さんになるので要注意です。
アントルラセの不思議な動き…空中に浮かんだように見える謎、まるで脚がはさみの刃になったように、2本が重なったり開いたりして見える謎が解明されましたでしょうか。美しいジュテ・アントルラセをするためには美しいグラン・バットマンが必須。バーレッスン中から、グラン・バットマンの上達を目指しましょう。