藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第27回】足裏、あしゆびエクササイズ特集 - エクササイズ-

「あしゆびストレッチ」

指のスジは「伸ばすー普通ー引く」の状態で、何もしていない、意識していない時は「普通」に緩んでいます。なので「伸ばす」という力は、ゆびさき「末端へ向けて」押し出す感覚を知らなくてはなりません。

手であしゆびを一本ずつグイッと起こします。この状態は「手であしゆびのスジを引いた」ことになり、ストレッチというよりは「縮めた」形になります。そこであしゆびにグッと力を入れて、甲側のスジがもっと固まる感じになると「より強く引く」という状態で、脛も腿もより固まり、膝が曲がるほどに・・・。
本来感じるべきポイントは「ゆび裏のスジが伸びる」こと。深呼吸しながら「ゆび裏の付け根を押し出す」。そしてそのゆびは、他のゆびから離れて「広がっていく方向に」張ってみましょう。

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「アキレス腱」

アキレス腱は「踵を上げたり下げたりするもの」ですが、その運動はふくらはぎの伸縮によって行われるので、「ふくらはぎの筋肉を伸ばす」という感覚を知らなければ、アキレス腱はいつでも「踵を引っ張り上げている状態」に置かれてしまいます。
アキレス腱が踵を引っ張ってしまうということは、踵から伸び出る足裏のスジも全部「踵に向けて引く」という命令が出てしまうので「スジを開く、伸ばす」という感覚を生み出すことが難しくなります。
アキレス腱のストレッチをするときは「足裏へアキレス腱を送り出す、下げる」という感覚で行いましょう。注意点は「踵に付いている下端部だけでギュッと引き下げる」ことのないように。アキレス腱は「腱」なので、下端だけをグッと引くと、ふくらはぎが「グンと引っ張り返す力」を入れてきます。腱を上から下まで「丸ごと足裏へお引っ越しさせる」ように、深呼吸で動かしてみましょう。

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「土踏まずのアーチ」

土踏まずと言えばアーチ(橋)のように、カーブを描いていると良し。そうでなければ扁平足で落ちていてダメ、と考えるのが普通ですが、しっかりと理解した上で作り上げないと、変形を促したり、ケガの素となってしまうこともあります。
橋といっても短く高い橋、遠く長く架ける橋と二通り。
前者の短い橋はゆびのスジを縦に引く、横幅を詰めるという「床を掴もうとする力」によるもの。足の形をグーに固めるという力です。簡単にイメージしてもらう為に、例えば手でルルヴェに立ったり、ジャンプから着地するとして、その手がグーだったらどうでしょう?
筋肉は「縮む力があって、伸びることができる」ので、必要のない力ではないのですが、伸ばす力の重要さを考えてみましょう。

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後者の「長く架ける橋」はゆびのスジを踵からゆびへ。横幅を広げるという、足裏をパーの方向性に張る力で「動きのある、動きを作り出せる状態」にします。
この「足裏を押し開く」という意識と力を付ける為に、絶対的な条件があります。それは「土踏まずに体重を掛けて動かす」
足底は全体重を支えて立っている上に、それでもまだ床を押してルルヴェに立ったり、床を蹴ってジャンプしたり。片足で全体重を押し返すほどの強さを要求されます。そんな絶大な力を土踏まずに発揮してもらうには、全体重を掛けないことには足裏が応えてくれない、ということなのです。

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「ヒールライズ」

以前にも紹介した片足ルルヴェのエクササイズ。
土踏まずを鍛えて、足単独で全体重を押し上げるほどのパワーを付けます。
これは「容易にルルヴェに立ったりジャンプしたり出来る」為でもありますが、美容目的にも「足のむくみ」の改善や、全身のシェイプアップにもなります。
今回は以前にも増して、箱の上に立って、足首の動きの範囲を大きくします。

箱より下に踵を位置して、ハイルルヴェに立つ。そしてゆっくりコントロールして元の位置へ降りる。立つと降りるのスピードを同じにしましょう。
意識すべきポイントはすでに述べたように、「アキレス腱を足裏へ流して下げながら」「土踏まずに体重を掛けながら」です。あしゆびが掴もうとグーになっていないか?踵をグイッと引っ張り上げるだけになっていないか注意して下さい。
アキレス腱の押しを感じ易くする為に、写真のようにセラバンドを踏んだ状態で行うのも良いでしょう。

何事も焦らず、じっくりと、です。ゆっくり上下して片足で20回連続でできるように目指しましょう。

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>>> 【第27回】指に生命を吹き込む〜薬指の実力〜

(イラスト:あゆお /写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。


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あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。