【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第10回>
2016/12/28掲載
本格男子フィギュアスケートアニメ「ユーリ!!! on ICE」。
最初にチャコットに衣裳デザイン原案のオファーがあったのは、今年の1月。今回、このアニメのために久保ミツロウさんが描き下ろした作品ということで、私たちも全部のストーリーはまだ知りません。この先どうなっていくのか楽しみです♪
そして、ストーリー以外にもうひとつ。選手が試合で着用する衣裳にも注目してください!
今回、特別企画として衣裳の原案をデザインした佐桐のインタビューを紹介していきます。元のデザインがどのようにつくられ、それがどのようにアニメ化されたのか、ぜひチェックしてくださいね!
― 第10回 (最終回)―
最終回はグランプリファイナル フリースケーティングです。
最後に登場したのは、オタベック・アルティンのフリースケーティング衣裳です。
さっそく聞いてみました。
●ショートプログラムに続いて、グランプリ・ファイナルで初めて登場する衣裳ですね。
━はい、フリーの音楽が荘厳な曲ということで、"国を建国しそうな勢い"の壮大さが欲しいとリクエストされました。そこで、重厚感のある素材のベロアを使いました。ポイントはゴールドのカラーです。ゴールドメダリスト(を狙っている)のイメージ、名前を象徴する意味でもこのカラーを選びました。アニメーションで表現するのは少し難しかったかもしれませんね。
ジャケットは無地のストレッチベロアを逆毛で使いました。前回も出てきましたが、逆毛で使っているので色に深味が出ます。ベストとパンツには、2WAYのメタリックベルベットを使いました。
そして、"建国しそうな"というキーワードを表すため、国章(?)をイメージしたモチーフを胸元に付けまることでアクセントにしています。 歌詞からも強いメッセージが伝わるよう、全体的に光り輝いてる衣裳に仕上げようと思いました。
●アニメーションではブルー系の色で、大分印象が違いますが、デザインはほぼ原案通りでしたね。
━そうですね、デザイン画では、衿、肩章、袖口、裾や腰回りにはモチーフを付けました。もともとスパンコールが縫いつけられているモチーフです。スパンコールは引っ掛かりを防ぐために、3点留めされています。
●このモチーフはカットされていますが、元はどのような形状なのですか?
━この(写真)ような状態です。これをカットして組み合わせて模様をつくっています!
●面白いですね! この衣裳も3ピースですが、これも一体型ですか?
━はい、上下はセパレートにしていますが、上半身は一体型です。
●では、ジャケットのボタンは留められないんですね。
━はい、ボタンはくるみボタンにしていますが、ボタンホールは刺しゅうで飾りになっています。
〜〜 編集後記 〜〜
本編に登場した衣裳デザインの裏側をご紹介するのも、この衣裳が最後となりました。
ご愛読いただき、ありがとうございました。
また来年も番外編として衣裳に関する情報を更新する予定です。
ぜひまた覗いてみてください!
さっそくですが!!
先日ダンスキューブ・カフェとチャコット心斎橋店に展示していた
「勇利の衣裳ができるまで」をご紹介する予定です。
こちらもぜひお楽しみに♪
(2017年1月公開予定)
皆さまどうぞよい年をお迎えくださいませ。 来年も引き続き「衣裳デザインの裏側」をよろしくお願いいたします。
- 第1回:ヴィクトルのフリープログラム用衣裳のデザイン
- 第2回:男性用衣裳の特徴
- 第3回:勇利 VS ユーリ
- 第4回:勇利に憧れる南健次郎のフリーと、勇利のフリーの衣裳について
- 第5回:グランプリシリーズ中国大会のショートプログラムの衣裳について
- 第6回:グランプリシリーズ中国大会のフリープログラムの衣裳について
- 第7回:ロシア大会ショートプログラムの衣裳について
- 第8回:ロシア大会フリースケーティングの衣裳について
- 第9回:グランプリファイナル ショートプログラム
- 第10回(最終回):グランプリファイナル フリースケーティングの衣裳について
- 番外編:チャコットが制作した「勇利のフリースケーティング衣裳」ができ上がるまで
- 番外編2:ユーリ・プリセツキーのエキシビジョンの衣裳について