フェアリー ジャパン POLAトークショーレポート

2019年9月に開催された世界選手権大会では、史上初の団体金メダルを獲得したフェアリー ジャパン POLA。そのフェアリー ジャパン POLAを率いる山﨑浩子強化本部長と、6人の選手、杉本早裕吏選手、松原梨恵選手、 熨斗谷さくら選手、横田葵子選手、竹中七海選手、鈴木歩佳選手を迎えてトークショーが開催されました。
2016年リオデジャネイロオリンピックの新体操個人総合金メダリスト マルガリータ・マムーンさんとコーチとの物語を描いたドキュメンタリー映画『オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡』を見た感想や、実際にロシアのコーチに学んで感じたことなどが選手ならではの視点で語られました。

ここでは抜粋して内容を掲載いたします。

『オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡』

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第16期 フェアリー ジャパン POLA 団体メンバー (左から 熨斗谷さくら選手、鈴木歩佳選手、松原梨恵選手、杉本早裕吏選手、竹中七海選手、横田葵子選手)

 

※文中、名称を略して表記いたします
山﨑浩子強化本部長=山、杉本早裕吏選手=杉、松原梨恵選手=松、 熨斗谷さくら選手=熨、横田葵子選手=横、竹中七海選手=竹、鈴木歩佳選手=鈴、司会:司

司:まずは挨拶と映画の感想をお願います。

山:今日はこのような機会を与えてくださいましてありがとうございました。
ロシア人ヘッドコーチのヴィネルさん※1にはいつもすごくお世話になっています。サンクトペテルブルグで練習したりしていますし、(映画で)映ったノヴォシビルスクというモスクワの練習会場にも行ったことがありまして、懐かしい場面もあったり・・・。
マムーンさんのがんばりをよく知っているので、その裏にこんなに壮絶な戦いがあったとは。ちょっと胸が、心臓が痛かったですね。
(ロシアも日本も共通して)ふんばらなくてはいけない、試合で強い気持ちでいなくてはいけないというところで、ここまでもっていく"もっていき方"というのは大変だと思うんですけれども、華麗な演技の裏にこんな毎日があったんだというので「心臓が痛かった」というのが正直な気持ちです。

司:選手側から見てこの映画はどうでしたか?

杉:映画中、ずっと身体に力が入ってしまって・・・今選手側としてすごく気持ちがわかる気がするし、本当にマムーン選手の演技というのは美しくて、その裏にすごい壮絶な戦いがあるんだなと・・・。
山﨑先生もおっしゃったんですけど胸がいっぱいになりました。

松:マムーン選手は試合や練習会場でお会いする機会があったんですけれど、やはり絶対的王者のロシアでトップで戦うには、プレッシャーとか重圧があるのはわかっていたんですけど、自分が思っていた以上に重圧やいろんなものを抱えて戦っていたんだということに心を打たれたし、本当にすべてをかけて新体操をやっていたんだんだなというのが伝わってきました。

竹:今回見させていただいて、マムーン選手の美しい演技の裏では本当に過酷な戦いがあったんだなって。そこで自分をコントロールしながら美しい演技が出せていたのは本当にすごいなと思ったし、自分自身もたとえどんな苦しい場面でも、フロアに立ったときには美しく演技できるっていう部分を見習わなければならないなと感じました。

鈴:今まで好きな選手がマムーン選手だったので、本当にこの映画が見られてよかったと思うし、動きの美しさとか、その裏ですごいプレッシャーと戦って舞台に立っているのがすごいなぁと心から思いました。

熨:映画を見てまだ心臓がドキドキしているくらい、本当に衝撃的でした。
ただ、やっぱり新体操がこういう風に映画になること自体、新体操を見ていただける機会をもらえたということですごくありがたいですし、こういう過酷な練習を経て本番の舞台で華麗に踊っているというのを、もっといろいろな人に見ていただける機会になるのではないかと思いました。
選手だけでなくて、コーチ陣やいろんなスタッフの方々も成功を目指して戦っているんだということをスクリーンを通して感じることができたので、自分たちも周りの人に助けてもらってやれているという感謝の気持ちをもってやりたいと思いました。

横田:絶対王国のロシアはすごいプレッシャーの中戦っていて、マムーン選手は自分の父親の病気が気になりながらも、フロアに立ったら、代表に選ばれたら、絶対自分の演技をしなければいけないという重圧の中、それを感じさせないくらいの演技をオリンピックでしていました。
演技をする覚悟が見られて・・・すごい胸が痛かったんですけどいろいろ勉強になることがありました。

司:皆さん今映画を観終わったばかりなので、ズドーンとしんどくなっている方もいらっしゃるかもしれないんですが、あまりネガティブな映画という意味にはとらえずに。
スポーツ経験のない私からの単純な質問なんですが、この映画を選手、アスリートから見たらどう映ったのでしょうか?
私はヘタレなので「かんべんしてよ~」「もうやめてあげて~」と思ったんですが、そう思った方!  

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選手:(全員挙手)

司:みんなヘタレなの??(笑)
では、これを絶えれば金メダルに繋がったんだから結果オーライなんじゃない?と思った方

選手:(全員手を挙げない)

山:今の日本ではちょっと難しいと思います。
でも、(コーチから)いわれている内容は正しいと思います。最後の言葉がちょっとキツイので、そこはなくてもいいかなとは思うんですけど、たとえば「情熱を持って役者として踊りなさい。でも中身は冷静に」とか。
いっている内容、奮い立たせようとしている内容はいいんだと思います。ただ、これが今の日本で許されるかといったら許されないだろうなぁという感想です。

司:"今の日本では"ということは、ロシアでは今でもあるかもしれないという部分も含まれていますか?

山:わからないです・・・。ウヮ~って選手に鼓舞してるシーンは今でもよく見ますけれども、私はロシア語がわからないので何をいっているのかはわかりません。なのでどうだかは知りません(笑)

司:褒めて伸ばすタイプと、たたいてそれでも這い上がってついてこいというタイプの2つに大きく分かれるとすれば、ロシアの選手たちに褒めて伸ばすということはないんですか?

山:どっちもないとダメだと思います。褒めるだけでもだめだし、けなすだけでもダメだし。
やっぱりいいときは褒めて、だめなときはしっかりそれを伝えるっていうことが重要なんじゃないかと思います。
だからどっちかのパターンというのはないと思います。

司:選手の皆さん!「じつは私もっと褒められたいんだけど」という方いませんか?

選手:(誰も反応しない)

山:いいのよ(笑)

司:先生を前にしてなかなかこたえずらいと思いますが・・・

山:いないと思っていってください。

会場:(笑)

司:先生の方が100倍怖いぞと思った方いらっしゃいますか??・・・挙げられないですよねぇ。

会場:(笑)

司:杉本さん、松原さん、熨斗谷さん、横田さんは前回のオリンピックにも出場されているので、マムーンさんに会う機会もあったと思いますが、実際に会った方いらっしゃいますか??

杉・松・熨・横:4人とも挙手

司:では、マムーンさんの練習風景を見た方?どんなでしたか?映画のままでした??

杉:オリンピック前は私たちもロシアのサンクトペテルブルグで練習していて、マムーンさんはモスクワの方で練習しているので、練習の姿というのは試合のときしか見られないので、本当にちょっとなんですけど。
ずっと暗い感じではなくて、すごく前向き取り組んでいる姿勢とか、自分がこういう風に見せたいというものを練習で出しているなっていう感じがしました。

松:私と杉本選手が、リオ・オリンピックの閉会式が終わった次の日にマムーン選手と写真を一緒に撮らせてもらったときは、すべてが終わってほっとしているような印象を受けたんですけど、まさか、それに至るまでにこのような大変なことがたくさんあったっていうのはすごく衝撃を受けました。

熨:私たちは団体なので、個人の人といっしょにやることはあまりないので、団体の練習をイリーナさん※1が見ているところにはよくいるんですけど、個人の選手も団体の選手も変わらずすごく熱い指導を受けていると思います。
でも、個人で、1対1で受けるのと団体全員で受けるのとは、またちがうんだろうなと思います。
ロシアのヤナ選手※2は強い選手で、2人で争うのは大変だったと思うんですけど、その中でもマムーン選手の美しさっていうのを全面に出してオリンピックでは力を発揮していて素晴らしい選手だなって思いました。

横:本当に試合のときの少しの時間にしか一緒になることはなかったんですけど、(映画で)マムーン選手もやっていた、試合前に脚を強くするために(脚を)たたいたりとか、ヘッドコーチに耳をつねってもらって集中することを私たちもロシアのコーチにやってもらっていたので、それで集中できたりとか、脚を強く出すことを試合前に思いださせてもらうことができてるのかなって・・・。
すごくロシアから学ぶことが多いです。ロシアの先生がやってくれたことが今の私たちに活きているのかなって思います。

司:同じ新体操でも団体と個人でちがう部分があると思うんですが、この映画のようなハードなトレ-ニングは、団体だからこそ、仲間がいるからこそ乗り越えられる部分があると思うんですけど、そのあたりいかがでしょうか?

杉:やはり個人の選手だと、自分が落ち込んでしまったときにどんどん落ち込んでしまう気がするんですけど、団体だと全員が、チームがいるし、誰かが落ち込んでしまっているときは助け合ったり、声を掛けて支え合ったりすることができるので、そこは団体のよさかなと思います。

松:私も常に仲間がすぐそばにいてくれるので、何か大変なことがあってもお互いで支え合えるし、だからより一層がんばれるんじゃないかなと思います。

竹:やはり、団体選手では演技をしていてもアイコンタクトが取れたりして、そこで本当に元気をもらうこともあります。
個人の選手は一人ですべての演技を見せるっていうのができると思うんですけど、団体の選手はみんなで見せられるというところが団体のよさかなっていう風に思います。

鈴:私も一人じゃなくてみんながいるっていうことで本当に助けられている部分がたくさんあるので、そこらへんは団体のすごくいいところだなって思います。

熨:個人は孤独な戦いだと思います。団体は1人1人がしっかりして1つのチームになるっていう、大変な部分もあるんですけど、励まし合いながらの練習からやれたものが試合に出るので、練習のときからみんなと一緒に同じ目標に向かってがんばれるっていうのは団体のすごくいいところだと思います。

横:団体の選手も一人一人がちゃんと自分をもってがんばらなければいけないんですけど、フロアに立ったときに目があったりとか、笑ってアイコンタクトを取ることですごい一体感も生まれるし、団体のよさである同一性も出せるのかなって思います。

司:ふだん、練習中に選手とコーチ陣の意見が対立してしまうことはあるんでしょうか?
対立しているなと分かったときにどういう風に工夫しているのか、打開しているのかというのは何かありますか?

山:対立という言葉はちょっとちがうかもしれないですね・・・。
選手側、自分たちが目標に向かっていっていることが、こちらとして見えなかったときには少し練習が止まることもありますね。
今日はどういうことがやりたいのかっていうのを皆で話し合ったり、そっちで話し合ってきなさいということもあります。ただ、対立ということはないと思います。

司:そういうことを先生に聞くとなおさらこの映画のロシアのコーチ陣と選手との距離感が不思議でならなっかったんですけども・・・

山:相当覚悟しているということですよね。 ロシアは1位でならなければならない。何年も絶対に1位でなければならいという中で、ヴィネルさん※1自身も戦っておられるだろうし、それがああやってきつい言葉になっているかもしれない。
でもヴィネルさんとの間で、ザリポアコーチ※3がときにはヴィネルさん側に立ち、ときには選手側に立ちということで緩和していたりして、あの3人がいたからトライアングルでやれたんだろうなぁという風にも思います。
私たちはまだ金メダルもメダルもオリンピックではまだ取ったことがないから、本当にチャレンジっていう気持ちでやれるんですけれど、座をまもらなくてはいけないっていうところでの覚悟っていうのはやっぱりちょっとちがうのかなという風には思いましたね。

司:そのトップを走り続ける、トップであって当然というロシアで練習されることも多いと思いますが、ロシア人気質で日本とちがうなと感じた部分はありますか?

杉:ロシアの選手は小さい頃からバレエレッスンを厳しく徹底していて、それで身体の線がすごくきれいです。大きくなったときにちゃんとそれが活かされているので、私たちも近くでロシアの選手が練習していると、小さい選手からもたくさん学ぶことがあるので、ロシアでの練習はすごくいい環境でやらせてもらっているなと思います。

司:そうなると今、日本では前倒し前倒しで小さいころから(バレエを)やるジュニアの人も増えてきているということですか?

山:小学生や幼稚園児は右肩上がりで増えていますけれども、やはりお稽古事という意識の方が高くなっていますね。
中学、高校、大学となるにつれて、少し尻すぼみになっている状況でトップを目指すところになると、どうしても「こういうプロポーションが必要」とかってなるんですけど、そうでなければどんな年齢でもできるスポーツなんですね。私くらいの人でも楽しくできるスポーツですし、小さいお子さんでも手軽にできるスポーツですので、そういう側面も私たちは伝えていかなくてはならないなと思います。

松:ただ踊るだけではなくて、心の底から情熱的に踊るところとか、「フロアに立ったら役を演じなさい」という表現はロシアのコーチから私たちも学んだし、役者になるっていうのは日本ではない表現なので、そこはロシアのコーチに学びました。

竹:日本でもご指導いただくこともあるんですけど、特にロシアのコーチは「情熱をもって!」だったり、例えがあって「○○のように表現する」とか、そういう表現の部分でのご指導をいただくことが多いなと感じました。

鈴:私もみんなと一緒で、曲に合った表現をする部分でエネルギッシュにロシアのコーチに指導していただくので、その部分でたくさん学ぶことがあります。

熨:ちょっとあの会場(の雰囲気)が暗いので・・・
私たちもふだんロシア語で指導を受けていたので、注意などは映画を見ていてもよくいわれる言葉だということはわかるんですけど、逆に語尾のきつめの言葉などはちゃんと勉強しないようにしていて・・・「なんか怒っているからちゃんとやろう」って(笑)
技術的な注意とか、こういう気持ちを表現しなさいという言葉はしっかり受け入れてやろうと、自分たちがちゃんとプラスに持っていけるような言葉はきちんと学んで、あとは「よしがんばろう!」いうように、いい感じにとらえています!
ちょっと映画は暗い部分が多めでしたけど・・・。
ロシアの先生方や選手も、練習中はやっぱり厳しかったり、感情表現をするために怒りもパワフルですけれど喜びとか愛の表現もすごく強いというか。日本人よりすごく愛情表現をストレートにしてくださるので、すっごく怒ったあとに「でもあなたたちのこと大好きよ」っていう風に、最後に「わあすごい愛がきたっていう」感じになります。
いいところも悪いところもあるし、私たちもロシアでいろいろな感情を学ばせてもっています。

司:ロシアの方はいいところも悪いところもストレートに表現するんですね。

横:私が一番ロシアに行って驚いたことは、(新体操は)表現をするから、建物とか美術館に行って色々なものを目で吸収してそれを表現に表せるように、ということで美術館に連れていってもらったりとか、建物をみて感じるものとか、いろいろ目から吸収するようにといわれることです。そういうところを、もっと取り入れていきたいと思います。

司:ふだん新体操をやっていて、これはつらいということと、だけど楽しいと喜びを感じるところを教えてください。

杉:練習はつらいっていうか、やはり難しいことをやるので、それがうまくいかないとモヤモヤしてしまう気持ちもたくさんあるし、個人競技ではないので、誰か一人ができないと一緒に付き合ってやるのですごく時間がかかってしまうんですけど、それを成功できたときにはすごく喜びに変わるし、練習でうまくいっていなくてもチームみんなで成功したり試合でうまくいったときにうれしい気持ちになります。
苦しい先にはいいことがあると私はすごく信じているので、苦しいときにはみんなの笑顔を見てチームみんなでがんばるようにしています。

松:新体操は、演技でどれだけ練習してきたものを出せるかっていうところなので、バレエレッスンや演技の練習など毎日同じことを繰り返すので、そこでも大変なことがあったりとか、やはり練習はつらいことの方が多いんですけど、その先の試合でやりきれたときにがんばってきてよかったなっていうのと、やっぱり同じ思いをした仲間と最後に笑うことができたっていうときはやっぱり喜びも倍になって、そこが楽しみでもあるところです。

竹:練習をしていく中で、同じ技をしていても、昨日までできていた部分ができなくなったりということがあると、自分自身としてはすごく落ち込んでしまうタイプなんですけど、そこを乗り越えて成功できたりとか、試合で結果は後からついてくるんですけど、自分たちのやってきた演技が踊りきれたときっていうのが、私は一番うれしいです。

鈴:新体操は本当に反復練習で、すごく大変なこともたくさんあったりするんですけど、私は難しい技とかに挑戦するとき、技を楽しんでやったり、たくさんの人に見てもらえるうれしさを思ってやるようにしています。

熨:新体操は、技術面で本当にできなくて悔しいとか、練習で身体がきついとかそういうつらさはあると思うんですけど、やはり感情を表現する、自分が感じたものを表現したら今度は見ている人から「感動したよ」といってもらえるスポーツというところが、表現スポーツのいいところなのかと思います。私は曲があって、踊れるスポーツっていうのが新体操の魅力かなぁって思います。

横:どんな競技でも楽な練習はないと思うんですけど。どんなときでも笑顔でやったりとか、本番でいい演技ができてみんなで喜びを分かち合えたりすることが本当にうれしいことなので、どんなにつらくても試合でいい演技や自分たちの演技をするために、毎日の練習を目標をもってやることが自分たちにとって大切なことなのかなって思います。

司:最後に今年のオリンピックに向けてひとことずつメッセージをお願いします。

横:本当に練習が大事だと思うので、日々の練習を1日1日悔いなく終われるように目標を持ってがんばっていきたいと思います。

熨:今日の映画であったように、どの国もいろいろな重圧や自分との戦いに苦しんでいると思いますが、私たちも本当にどんなにつらくても、まわりの世界中のみんなががんばっているんだと思って、それすらもパワーにしてチーム一丸となってひとりひとりしっかり自分をもってがんばっていきたいと思います。

鈴:毎日毎日の積み重ねが大切だと思うので、これからオリンピックを自信をもって迎えられるようにチームみんなで助け合いながらがんばっていきたいと思います。

竹:やはり練習の積み重ねが本当に大切なので、自分自身との闘いに打ち勝ってしっかりコントロールしてみんなで目標に向かってがんばっていきたいと思います。

松:この映画にも出てきたように、本番ではなく練習が大事というのをみんなわかっているので、まずは毎日の練習をやりきって、みんなで笑顔で終われるようにしていきたいと思います。

杉:全国の方々で新体操の競技を知らない方がたくさんいると思うので、この映画を通じてたくさんの方に新体操っていう魅力を知ってもらって、さらに東京オリンピックで私たちが演技するときに、こういう風にがんばっていたんだなって見ていただけたらうれしいし、私たちは東京オリンピックでやり切るためにも、まず日々の練習をしっかり1人1人がやりきった状態で本番を迎えられるようにしたいと思います。

山:今ここにいる選手は世界選手権に出場したメンバーなんですけれど、今日は若手のメンバーだったり・・・全員(会場に)来ているんですね。この中(登壇しているメンバー)から選ぶにしても1人は欠けるんです。5人しか出場できないので。
若手もがんばっていますし、誰が最終的に東京オリンピックの舞台に立てるかわからないんですね。
わからないんですけれども、それぞれがやはり自分のやるべきことをやり続けること。コーチ、スタッフ、たくさんの方々が東京オリンピックに向けてサポートをしてくれているので、戦っているのは自分1人じゃないということがわかりさえすれば、ちゃんと前を向いて戦い続けられる思うので、コーチも選手もスタッフもみんなで目標に向かってそれぞれがやるべきことをやる、これが一番だと思います。そういう戦い方をしていきたいと思いますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いします。

マルガリータ・マムーン
1995年モスクワ生まれ。ロシア人の母とバングラデシュ人の父を持つ。
幼少期にはバングラデシュの選手として活動していたが、その後ロシアの選手として活動。世界選手権では、合計7つの金メダルを獲得し、ヨーロッパ選手権、ワールドカップ、グランプリシリーズなどでも活躍。
2016年リオデジャネイロオリンピックでは個人総合金メダルを獲得。
幼少期よりアミーナ・ザリポワに師事し、ロシア代表チームではイリーナ・ヴィネルの指導を受ける。
2017年引退、結婚。

※1イリーナ・ヴィネル
新体操王国ロシアを支える伝説的な指導者。1992年ロシア代表チームのヘッドコーチに就任。
2001年オリンピックトレーニングセンターのヘッドコーチに就任。
2008年からは全ロシア連邦新体操総裁を務める。
アトランタオリンピック吟メダリストのヤナ・パテリシナ、シドニーオリンピック金メダリストのユリア・バスコワ、アテネオリンピック金メダリストのアリーナ・カバエワ、北京オリンピックとロンドンオリンピック金メダリストのエフゲニア・カナエワなどを育成。

※2ヤナ・クドリャフツェワ
マルガリータ・マムーンのチームメイト。リオデジャネイロオリンピック銀メダリスト。

※3アミーナ・ザリポワ
幼少期のマルガリータ・マムーンを指導していた。
自身は12歳のとき、ヴィネルに見出され、1996年アトランタオリンピック4位入賞。
引退後はギリシャ体操連盟のコーチをしていたが、その後ロシアに戻り強化選手のコーチになる。
マムーン以外にダリア・トゥルブニコワ、ヤナ・ルコニーナなどのコーチも務める。

 

 

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