<第6回>プロフィギュアスケーター鈴木 明子さん「スケートの衣裳ができるまで」
2018/11/19掲載
いよいよプロフィギュアスケーター鈴⽊木明⼦さんのとのコラボ企画
「"フィギュアスケート衣裳ができるまで"追っかけリポート」が始まります。
第6回「飾り付け編」
縫い上がった衣裳にいよいよ飾りをつけます。
伸縮性のある生地を使っているので、トルソーに着せて生地が伸びた状態で飾りをつけていきます。
まずはボディのポイントなる腰部分の飾りから。
前回出てきたデザイン通り、羽とイエロー、オレンジ、赤、黒、オーロラなど何色ものストーンを組み合わせてモチーフ部分を飾ります。下絵に合わせてひとつひとつ絵を描くようにボンドで貼り付け、立体感が出るよう大きめのストーンを縫い付けます。見頃の前から後ろにかけて流れるように飾りが付きました!
次はボディ全体にイエローのストーンを貼ります。
先にストーンを付けたい場所にボンドを置き、(10カ所位づつ)、その上にストーンを貼っていきます。
その作業を繰り返し、ボディ全体にイエローのストーンがつきました。
これでスポットライトを浴びた時にどの角度からでもキラッと光ります♪
ちなみに・・・今回この衣裳に使用したストーンの数は、大きいもの約25個、小さいものはなんと4,967粒!約30種類のストーンを使用しています。
そして、これをすべて人の手で貼っているんです!!
続いて胸元のモチーフです。ここも腰の飾り同様、羽と何色かのストーンを混ぜて仕上げます。
飾りが付いてしまうとわからないのですが、実はこの飾りの土台にはちょっとした工夫があります。
フィッシュネットの先端部分には写真のような別のモチーフを重ねていて、その上にストーンを貼っているんです。
その理由は立体感を出すため。
さらに今回はデザイナーのこだわりポイントでもある星型のストーンをタテに縫い付けてより立体感を出すようにしています。
並行して髪飾りも作ります。
こちらは腰周りと同じく、下絵に沿って土台になる黒いチュールの上に、羽やストーンをボンドで貼って乾かします。
まだ飾り付けの途中ですが、全体のイメージがわかるようになったこの段階で、仕事で東京に来られる鈴木さんにチェックしていただくことになりました。
衣裳と対面した鈴木さんの第1声は、
「かわいいっ!!」「飾りが付くとぜんぜん印象がちがう!!」
気に入っていただけたようで、良かったです♪
さっそく着ていただいて相談したのは、フリンジのこと。
デザイン画の段階では付けないことになっていたのですが、ここで改めてフリンジをつけるご提案をしてみました。
胸元、肩先、背中、腰まわり・・・
シミュレーションした結果、胸元の大きな飾りがついた部分を除いて両サイドに付けることにしました。
もうひとつ鈴木さんからご要望があったのは、「重心が下がって見えないようにしたいので、もう少し足が見えるようにしたい」ということでした。
スカートをカットしてしまうとスカートの重なり部分のフリルがなくなってしまうので、ギャザーを寄せてショーツに縫い留めることにしました。
こんな感じです。いかがでしょうか??
お渡しまであと3日。
最後の仕上げです。
スカート部分を修正したあと、まだ付いていなかった胸元、背中、腰のフィッシュネット部分に黒いストーン、ストレッチチュールの部分にはオーロラのストーンを付けます。
これでスカート以外はすべてキラキラ☆
ボンドが乾いたあとはフリンジ付けに入ります。
用意したフリンジには、あらかじめ2つのストーンが貼り合わせてあります。
付け位置を決め、1本1本縫い付けたあと、長さをそろえて半分にカットします。
カットした残りの半分を反対側に縫い付ければ完成です!
完成!!!!
初披露のプログラムとともにみなさまにお披露目される衣裳ができあがりました。
次回は最終回。
いよいよ完成した衣裳がご本人の手に!!
プロフィギュアスケーター 鈴木 明子さん「スケートの衣裳ができるまで」
- 第1回:デザインの打ち合わせ
- 第2回:デザイン決定・採寸編
- 第3回:パターン・トワルチェック(試作)編
- 第4回:仮縫い編(前編)
- 第5回:仮縫い編(後編)・本縫い編
- 第6回:飾り付け編
- 最終回:完成編