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"今"の自分を知る事がピルエット成功の近道 伊藤友妃子先生『ピルエットの基本』

レポート

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2ヶ月間、自分の身体を見つめ「今」の自分を知る事に集中しました 伊藤友妃子先生『ピルエットの基本』

8月から9月にかけて、ピルエットに集中して取り組む集中講座を開講いたしました。
指導は『エッセンス・オブ・バレエ』や、『登録制バレエ入門』クラスの指導でおなじみの伊藤友妃子先生です。

このクラスでは《シングル・ピルエットの完成を目指す》ことを目標にお稽古しています。伊藤先生曰く、

「ピルエットには普段のお稽古の成果が表れてきます。先生のご注意が身についてくると全身のコーディネーションが整い、少しずつコツがつかめて上達してくるものなんです。ですから形になるまで時間もかかりますし、ただやみくもに回る練習だけしても、すぐにできるようになる方は少なく、そんな部分も皆さんの苦手意識につながっているのかもしれませんね。」

つまり、ピルエットを上手に回るためには「総合力」が鍵という事なのですね。
そこで、このクラスでは受講者みなさんの「今」の状態をご自身で把握していただくこと=《ご自身の身体感覚を掴むこと》から取り掛かりました。

レッスンは大きく3部構成になっています。まずはピラティスでご自身の身体をスキャンし、まっすぐの感覚や動かしたい部分を意識して動かせるようにトレーニング。次にバーレッスンで基本的な身体の使い方を復習、最後はセンターで実際に回転してみます。
8月中は主にピラティスとバーレッスンで身体のアライメントを整えることを中心に練習、9月からはセンターに出て支えの無い状態でまっすぐな姿勢を意識的に作ることを練習しています。

それでは、クラスの様子をご紹介いたしましょう。
まず、伊藤先生の登場です。

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ピルエットが苦手、でもどうやってアプローチしたら良いのか分からない・・・そんなお悩みに対して根本的に、かつクラスが終了してからも毎レッスンごとに自分で調整していけるようにと、特別メニューを組んでくださいました。

バレエ経験が長いからこそ、苦手スパイラルに陥りやすいピルエット。でも、適切なレッスンの積み重ねで上達が見えやすいのもピルエットと言えるかもしれません。

身体はそれぞれ違うもの。
まずは、ピラティスで自分の身体を知り、隅々まで神経を行き渡らせる訓練をしましょう。

ピルエットする時、先生から「やわらかいプリエで!」と言われたことがある方も多いかもしれません。
1つのヒントになるのが、足首をまっすぐに使ってロックをかけないことといえるのではないでしょうか。

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足首の構造を理解し、まっすぐに曲げ伸ばしする。
長座や片膝をおった姿勢などで足首に触れながら、状態と動く方向を確認し、余分な力が入っていないかの確認や、正しい方向に曲げたときの感覚をチェックしていきます。

そして少し大きな動きに。手を使わず足首を自分の力で回します。
「なんだ、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、足先から足首まで全体をイメージどおりに動かすのは難しいのです。足首を動かすことに慣れたら、膝と股関節も一緒に回します。一連の動きの中で、自分の身体をコントロールする感覚を養います。バレエ経験者の方はピンと来ていらっしゃいますね。股関節-膝-足首はプリエする際にとても大事なコネクション。骨盤から足首にかけてのラインにゆがみがない事が正しいプリエ⇒ピルエットにつながるポイント。自分に集中して、しっかりと身体に染み込ませます。
伊藤先生はピラティス指導の資格も取得されており、指導に解剖学的なアプローチを取り入れています。時には骨格模型を使って・・・イメージしやすいですね。

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次は仰向けに寝てトレーニング。

「では仰向けになってください。脚の幅はこぶし1つ分ですね。膝の間は離します・・・。」

先生のひと言でマットに横になる皆さん・・・スタッフは驚きました。
この2ヶ月で皆さん【まっすぐ寝転ぶ】ことができるようになっているのです。毎回クラスに参加できた方は少ないですが、レッスンを重ねることで【自分のまっすぐな姿勢】を意識的に準備できるようになりました。
読者の皆さんもトライしていただければすぐお分かりいただけると思います。寝た状態で自分の姿勢を意識し、イメージ通り整えるのは非常に難しいのです。足の指、手のひらの向き・・・今の自分がどんな形になっているのかを意識して整えられるようになると、ご自身の身体の"クセ"に敏感になり、やがて修正ができるようになります。

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寝転がった姿勢で、ピラティスボールも使いながら骨盤や肩甲骨周辺をひとつずつ動かします。
外から見ているとあまり変化が見えません。「どこを動かしてるのかな?」と思われるかもしれませんが、皆さん自分の動かすべきポイントに集中し、そこだけを正確に動かそうとしているのです。

「ぐいっと行かないで・・・」「手の幅を意識して。同じ幅のままで動かしましょう」「・・・呼吸がなくなってますよ」

ひとりひとりの身体のクセを修正しつつ、動作を行うスピードや身体の使い方を的確にアドバイス。時には、「辛くありませんか?」と声をかけながらレッスンは進みます。静かな、自分との対話です。皆さんとても自分の身体に集中しており、コントロールしようと真剣に取り組んでいるので、一瞬の緊張が呼吸を止めてしまうようです。そんなときは

「皆さん上手になりましたね」

と場を和ませてくださる先生。受講者の皆さんからも、「最初よりできるようになったんです!」とお声があがりました。

次は、マットに座り上半身をストレッチ。「今どの筋肉を使いたいのか」意識して動きます。空間の中でコルセットの役割を果たすボディの意識を目覚めさせましょう。

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レッスンはさらにピルエットを意識したメニューになります。
ピルエット失敗の原因になりやすいプレパレーションやアームスを保つ感覚、ターンの際の首を返すタイミング。バラバラになって定まらない視線。これらのポイントを座った姿勢でチェックしていきましょう。
2番に開いたアームスの姿勢を保ったまま上半身に回旋を加え、ご自身が姿勢を崩さずにどこまでひねれるのかを確認します。

「首の骨を意識して・・・手の先を見ましょう!」

まっすぐな【準備の姿勢】から左右にひねりの運動を加えると・・・あれ?最初はきれいに準備できていたのに肩のラインがゆがんだり、最初の位置よりもアームスが開きすぎてしまったり、首がねじれてしまったり。これって、ピルエットの時に起こりがちな失敗ポイントと同じです!

また、一瞬の回転でぼんやりと焦点が定まらなくなってしまう「視線問題」についても確認。

「胸骨-鎖骨のくぼみ-首の中央線-鼻-眉間・・・自分の身体を触ってみましょう。まっすぐなラインを描いてください。そのまっすぐな状態を保ったまま左右にひねってみましょう。鏡の自分の姿をしっかり見て!」

回転の際に重要な「アームス」「頭」「目線の動き」の関わりを意識します。

ここまで来たら、立ち上がってバーレッスンへ。地味ですが、ここが凄いポイントです。皆さん、つま先と膝だけを床に着いた姿勢からなにげなくスッと、まっすぐ立ちあがれるんです。2ヶ月のピラティスで身体の軸を感じてコントロールする事ができている証です。レッスンの成果が形になって表れています。

バーレッスンではシンプルな構成を通して、「軸を探してまっすぐ立つ」「今どの部分を使うべきか理解しコントロールして動かす」「緊張せず正しい姿勢を保つ」など、ピルエットにつながる実践的な練習が続きます。シンプルな組み合わせは、ピラティスで体感した身体の使い方・視線の意識がそのまま反映できる内容。特に、プリエからルティレの姿勢になる動き!これ何度も練習します。最初はアテールでルティレの姿勢を作るだけ、次のルーティーンではルティレの姿勢を保ったまま半回転、そして最後にはプレパレーションから1回転まで。4番プリエから一息にルティレの姿勢に入るのは難しいものです。スタッフは見ていました。カマ足さんがお一人もいないことを!骨盤がずれている方もおりませんでした。毎回のレッスンで先生の注意が身につき、皆さんとても美しいルティレの姿勢を保っていらっしゃいます。それぞれの美しいピルエットを完成させるまで、あと一息です!

プレパレーション.JPG

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バーでプレパレーション.JPG

バーでルティレ.JPG

 

 

 

いよいよセンターに出て、支えの無い状態で回転にチャレンジしましょう。
バーレッスンでは上手に出来ていた4番プリエからの動き、上半身とアームスのコンビネーション、ルティレの姿勢、回転した後のしっかりした目線・・・。センターではどうでしょう。
それぞれ身体の特徴は違い、またその日の体調などによっても左右されるため、そのちょっとした誤差に気付いて「自分で正しい方向へ調整できること」が大切。2ヶ月間のレッスンで、伊藤先生はそれを丁寧に教えてくださいました。

センターでポールドブラ.JPG

センターでルティレ.JPG

「今の自分を知り、美しいピルエットを実現するためには何が必要なのか」「足りない部分を補っていくために、普段のレッスンではどういったポイントに注意して取り組めば良いのか。」2ヶ月間のレッスンを通じてご自身の身体を見つめ、1つのテーマに向かって集中して歩んでまいりました。
センターレッスンには、皆さんのこれまでの努力が確実に表れています。

「ピルエットは総合力です。」

先生の言葉が心に響き渡りますね。地道に積み重ねた基礎力が結晶となって美しく花を咲かせるのですね。
いつものクラスレッスンを大切に、そして、つねに今の自分の状態を正直に見つめて細部を丁寧に直していくこと。それがやがて美しいピルエットとなって表現されるのでしょう。

クラスにご参加くださった皆さま、ありがとうございました。どうかこの先も美しいピルエットを目指してお稽古ください。
そして、受講者ひとりひとりに向き合ってご指導してくださった伊藤先生に心より感謝申し上げます。

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