横浜スタジオ

吉岡美佳先生の『トゥシューズケア・スペシャルワークショップ』

レポート

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吉岡美佳先生の『トゥシューズケア・スペシャルワークショップ』

毎週月曜日・木曜日・土曜日にポワントクラス付属のバレエクラスをご指導いただいている吉岡美佳先生は、国内外でプリンシパルダンサーとして活躍してきたバレリーナです。スタジオでは丁寧でお客さまおひとりお一人の習熟度にあわせた的確なアドバイスと、決して手抜きの無い完璧なお手本で常にお客さまのあつい支持を集める大人気の先生!今回ご紹介する特別講座は、経験者に向けたスペシャルレクチャー。先生からいただいたアイデアが発端でした。

美佳先生は常にお客さまに対してアンテナを張り巡らせ、

「いまこの方にはどんなアドバイスが必要か」

「どんなレッスンで生徒さんに応えることができるのか」

心をくだいて下さいます。

先生の熱いお心を慕って受講して下さっているお客さまは、レッスンの内容やトゥシューズについて分からない事があればクラスの後に質問し
それぞれ解決の道を探っています。
そんな先生とお客さまとの日々のやり取りの中で生まれてきたのがこのクラスです。それでは、早速クラスの様子をご紹介いたしましょう。


吉岡先生はとても気さくなお人柄。クラススタートまではいつもお客さまと談笑して過ごしてくださいます。
舞台で拝見する神々しいお姿と、気さくで明るい素顔のギャップがまた魅力的なのです。

まず、先生が取り出したのは・・・なんと解剖学の図版と足首の模型
さらには手書きのイラストと、要点をまとめたレジュメまでご用意下さっておりました。
これは、《最初に人間の足の構造と、筋肉や腱の動き方について理解して欲しい》という事からのアイデア。
まずはしっかり理論を整理することで、後半に予定されているレクチャーの理解が深まるからです。

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「いつものレッスンで注意している事を思い出しましょう。 "タンデュで伸ばしたとき、指先を握らないで"とよく言いますね。
 "指を伸ばして使ってください"という注意は、実は私たちが人体を"動かせる"ナチュラルな構造に基づいて言っているのです。」

吉岡先生だけでなく、どの先生も口をすっぱくしてご注意くださる「指先を伸ばす」という動作。
これがアン・ドゥオールを実践するためにとても重要なポイントで、身体構造の理にかなっているという事をまず皆さんで理解しました。
先生が絵や模型を使いとても分かりやすく説明してくださったので、いつものレッスンでの注意がスッと腑に落ちるような瞬間でした

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"トゥシューズをはいて、つま先で立つ。"
バレエ経験者なら当たり前のように行っているこの動きが、実際はどんな力によって支えられているか、研究なさったことのある方は少ないのではないでしょうか。
美佳先生が次に取り上げたポイントはここでした。

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「引き上げ」「筋力」「バランス力」いろいろな要素がありますが、
引力に反して地面から自分自身を持ち上げていく力。
固いトゥシューズを上手に利用して「上に・・・」身体を持ち上げていく為に必要なのは、地面と靴の「摩擦」を利用する力なのです。

 

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「トゥシューズをはく前に、

 まずはスニーカーを使ってやってみましょうね!」

どうしたら「摩擦」の圧力を上手く利用できるのか、目の前で実践して下さる先生。


ひとつひとつ順番に、初心者でも理解できる形で説明して下さるので、理論が自然に頭に入ってきます。

さあ、いよいよトゥシューズをはいて一人ひとりの足の状態を見ていきます。今回参加してくださった方は、先生のクラスを受けているお客さまが中心でした。普段からレッスンで皆さんの足をよく見てくださっている先生。お一人ずつ、足を見てアドバイスしてくださいます。


「固いトゥシューズを自分の足にあわせてならすのは私たちプロでも難しいのです。

 大人になってからバレエを始めた方にとってはなおさらでしょう。 

 固いソールをそのままにして、ふくらはぎを強く緊張させたままレッスンするよりトゥシューズに適切な処置をして、

 出来るだけ快適に正しい使い方を意識できるようにしてクラスを受けたほうが、大人クラスの方には良いと思います。」

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人間の足のつくりは千差万別。トゥシューズも一つ一つに個性があります。クラス最初に触れた解剖学的視点を基に、一人ひとりの足の違いをまず認識し、それをどうやってトゥシューズに納めるか。トゥシューズ自体に手を入れて柔軟することだけが準備ではなく、それ以上に足を保護し、靴との密着を高め、サポート力を高めてくれるトゥパッドや緩衝グッズの重要性を私たちに伝えてくださいました。

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するとどうでしょう。先生のアドバイスによって、お客さまの足元の《見え方》に歴然と変化が見えます。 

右足と左足の違いをご覧下さい。画面右側が「手直し」した足です。
バランスが取れて、アン・ドゥオールがきちんと使える立ち方になったではないですか
固いソールの余分な部分も除去され、スタッフから見ても、皆さまスッキリとラインが整い
楽に立っているようにお見受けいたしました。

お客さまも、「全然違う!はきやすいです!!!」と口々に感想をくださいました。

吉岡先生ほどのバレリーナでも、トゥシューズでは苦労を重ねてこられたそうです。
さまざまなトゥシューズをはき、そのつど靴と格闘し、研究を重ねてご自身の理論を確立なさったのです。

「理論や方法を理解することで、今後のお稽古で指針として活かせるように・・・」

さまざまご準備くださった美佳先生の愛情に溢れた素晴しい1時間30分でした。素晴しいパフォーマンスの陰に、何重にも積み重ねられた研究と努力があることを改めて感じる貴重なクラスでした。惜しげなく貴重なメソッドを公開してくださった吉岡先生、ご参加くださったお客さまに心より感謝申し上げます。

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