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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2018.04.10]

華やかにリフトを決めたオブラスツォーワとソボレフスキー、牧阿佐美バレヱ団『ドン・キホーテ』

牧阿佐美バレヱ団
『ドン・キホーテ』アザーリ・M・プリセツキー、ワレンティーナ・サーヴィナ:演出・振付(プティパ、ゴルスキー版に基づく)

牧阿佐美バレヱ団の『ドン・キホーテ』も都民芸術フェスティバルに参加している。
演出・振付はアザーリ・M・プリセツキーとワレンティーナ・サーヴィナ。プリセツキーは牧阿佐美バレヱ団には他に『ロメオとジュリエット』『椿姫』『カント・ビタル』などを振付けている。周知のようにマイヤ・プリセツカヤの弟であり、キューバ国立バレエ団で踊り、モーリス・ベジャールのカンパニーで働くなどのキャリアを重ねている。物語を理解しやすくうまくまとめることに優れた振付家である。

tokyo1804c_0998.jpg オブラスツォーワ、ソボレフスキー
撮影/鹿摩隆司

ゲストダンサーは、マリインスキー・バレエから2012年にボリショイ・バレエに移ったプリンシパル・ダンサーのエフゲーニャ・オブラスツォーワと、クラスノヤルスク国立オペラバレエ劇場出身でモスクワ音楽劇場バレエ団のシニア・プリンシパル、ドミートリー・ソボレフスキー。主役のキトリとバジルを踊った。
このヴァージョンは、キトリとバジルの恋の顛末とドン・キホーテの心象とを別々の情景で描き、ラストでまとめるということをはっきりとさせたシーン割りとなっている。

オブラスツォーワはロシア人ダンサーとしてはやや小柄だが、終始愛想よく魅力的な笑みを浮かべ、堅実なテクニックで安定した踊りを見せた。ソボレフスキーはリフトを強く高く上げて力感のあるしっかりとしたサポートを見せ、ロシア・バレエのダンサーとして日本の観客の期待に応えた。さらにソボレフスキーは、最後のグラン・パ・ド・ドゥでもスピード感ある踊りを披露して観客を沸かせた。
牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちもゲストに応じるように踊り、舞台を大いに盛り上げた。第1幕のキトリの友人は青山季可と中川郁、第3幕では日高有梨と織山万梨子。森の女王の阿部裕恵、キューピッドの太田朱音などが、優れたソリストたちが柔らかく控えめながら存在感を表していた。また森田健太郎のキトリの父、保坂アントン慶のドン・キホーテなどが脇役として味を出していた。全体に品の良いダンスのエンターテインメントを感じさせる楽しい舞台だった。
(2018年3月3日 文京シビックホール 大ホール)

tokyo1804c_3809.jpg エフゲーニャ・オブラスツォーワ
撮影/山廣康夫
tokyo1804c_4178.jpg ドミートリー・ソボレフスキー
撮影/山廣康夫
tokyo1804c_0765.jpg 太田朱音
撮影/鹿摩隆司
tokyo1804c_0430.jpg 青山季可、中川郁 撮影/鹿摩隆司 tokyo1804c_0506.jpg オブラスツォーワ、森田健太郎 撮影/鹿摩隆司
tokyo1804c_0593.jpg 「ドン・キホーテ」第2幕1場 撮影/鹿摩隆司 tokyo1804c_0611.jpg 田切眞純美 撮影/鹿摩隆司
tokyo1804c_0903.jpg 岡本麻由、塚田渉(ボレロ) 撮影/鹿摩隆司 tokyo1804c_0695.jpg エフゲーニャ・オブラスツォーワ 撮影/鹿摩隆司
tokyo1804c_0803.jpg 第2幕2場 ドン・キホーテの夢 撮影/鹿摩隆司 tokyo1804c_0872.jpg

第3幕 公爵の城の前庭 撮影/鹿摩隆司

tokyo1804c_1038.jpg エフゲーニャ・オブラスツォーワ、ドミートリー・ソボレフスキー 撮影/鹿摩隆司