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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2013.01.10]

『愛こそすべて』でみせた、観客を魅了せずにはおかない鍵田真由美の圧巻の踊り

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
『愛こそすべて』佐藤浩希:演出・構成・振付

2013年2月から3月にかけて行われるスペイン最大といわれるフェスティバル、第17回フェスティバル・デ・ヘレスに招待された、ARTE Y SOLERAの『愛こそすべて』が、出品に先駆けて上演された。このヘレス・デ・ラ・フロンテーラで開催されるフェスティバルには、既に2004年にも鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団は、外国人として初めて正式招待され、『FLAMENCO 曾根崎心中』を上演しているので、今回が2回目の招待となる。

tokyo1301g_01.jpg 撮影/川島浩之 

『愛こそすべて』は、近年、佐藤浩希が手掛けてきている、スペイン歌謡をフラメンコで踊る趣向の公演である。スペイン歌謡とは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて流行したクプレと呼ばれるもの。また、世界大戦後にコプラと呼ばれるスタイルは生まれたスペイン歌謡だそうだ。ともにイスラム文化の影響を受けているアンダルシア風の歌だが、コプラのほうがよりその傾向が強い、という。
イスラムとスペインの地方色がブレンドされたアンダルシア風の愛に関するすべての情感が歌われ、踊られているわけである。
ゲストは、ARTE Y SOLERAの『女殺油地獄』で音楽監督を務めたカンテ・ギターのホセ・ガルベス、ホアキン・コルテスの世界でデビューを果たして高い評価を得たカンテのアナ・デ・ロス・レジェス、「コプラ王子」と呼ばれて意気なステージを見せるフェルナンド・ソト、ギターのマレーナ・イーホ、斎藤誠、パーカッションの大儀見元とARTE Y SOLERA公演お馴染みのメンバーが揃った。
オープニングでは、ゲストのカンテの2人、アナ・デ・ロス・レジェスとフェルナンド・ソトが客席から登場して喝采を受けた。スペインの素晴らしい歌い手による圧倒的なカンテとともに、鍵田、佐藤らが活力のあるダンスを披露し、迫力の溢れるような舞台だった。特に鍵田真由美の踊りは、見る物を魅了せずにはおかない絶頂期を思わせる圧巻の踊りだった。佐藤の踊りも身体の余分な力が抜けて、ともすれば力演し過ぎるきらいがあったが、滑らかさとともに味わいがでてきて好感が持てるものとなった。そしてラストの白い衣裳で踊り切った鍵田の姿がたいへん印象深かった。
(2012年12月8日 ル テアトル銀座)

tokyo1301g_02.jpg 撮影/川島浩之  tokyo1301g_03.jpg 撮影/川島浩之  tokyo1301g_06.jpg 撮影/川島浩之 
tokyo1301g_04.jpg 撮影/川島浩之  tokyo1301g_05.jpg 撮影/川島浩之