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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2010.10.12]

西田佑子、志賀育恵、沖縄支部などによる爽快感あふれる舞台

全国合同バレエの夕べ
日本バレエ協会
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日本バレエ協会の支部が参加して開催される、全国合同バレエの夕べは第34回目を迎えた。今回は5つの支部が参加し、6曲が踊られた。
開幕に先立って、第26回の服部智恵子賞の表彰式が行われ、森田健太郎が受賞した。
今回も各地区の支部がそれぞれ特色を競って、ヴァラエティに富んだ演目が上演された。
まずは東北支部の『パキータ』丸岡浩改訂振付。岡本佳津子に学んだ高橋静香と今井智也が第1舞踊手を踊った。若々しいパワーを感じさせる舞台だった。続いて関東支部の『ザ・レッド・シューズ』。チャイコフスキーの曲を使って新国立劇場バレエ団などに作品を提供している井口裕之の創作バレエ。童話『赤い靴』をモチーフとした作品で17人の女性ダンサーが踊った。
第2部の冒頭、沖縄支部のジュール・ペローの振付を南條喜久子が改訂した『パ・ド・カトル』はじつに爽やかだった。それぞれのバレリーナがしっかりと作品の心を把握しているので、雰囲気がたゆたっている。決して古色をそのまま踊ったというわけではない。微かに潮の香りを秘めた沖縄の風の爽やかさを『パ・ド・カトル』の舞台から感じるとは予想だにしなかったのだが、これはなかなか心地よい刺激だった。

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東京地区はスターダンサーズ・バレエ団を退団して、バレエアカデミー・コンチェルトを主宰し、しばしば振付を手掛けている長瀬伸也の『FRIENDS』。主人公の部屋に集った様々なフレンズのキャラクターを踊ってみせるという趣向の舞台。男性は京當侑一籠だけで、女性たちに気を使って右往左往する。普段は極め付けの王子役ダンサーで、それ以外はせいぜい『ロミオとジュリエット』のパリス役を演じるくらいだが、案外、コミカルな演技もキャラクターをきちんととらえていて良かったと思う。これからはコミカルなキャラクター役に開眼するかもしれない。主人公役の森田理沙が素直に気持を出していてかわいかった。
第3部は、九州南支部の西島千博振付による『クラシカル・シンフォニー』。音楽はプロコフィエフ。Allegro, Larghetto, Gavotto, Finalの4楽章で構成されている。ややゆっくりしたテンポで一番難しいラルゲットを西田佑子と西島自身が踊った。ダークグレイのシックなチュチュがよく似合う西田と燕尾服風の上衣を着けた美男美女のペアが舞台に南国の薫風をもたらした。軽快にして豪華なシンフォニック・バレエだった。
トリは東京地区、足川欽也振付の『ゴッドシャルク組曲』。タランテラ、トーナメント・ギャロップ、死せる詩人、子守唄、マンチャの調べ、という5つのパートからなる作品だった。志賀育恵と武石光嗣が軽やかに明るく楽しい舞台をみせた。すきのない手馴れたダンス構成で楽しめる舞台だった。
(2010年8月24日 文京シビック・大ホール)

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(C)スタッフ・テス 飯田耕治
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