ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2009.03.10]

「汝、罪あらば懺悔せよ」 アルターボーイズが迷える魂を救う

玉野和紀 演出『アルターボーイズ』
植木豪、中河内雅貴、田中ロウマ、東山義久、良知真次 出演
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 2005年のベスト・オフブロードウェイ賞受賞作『アルターボーイズ』が日本初演された。
聖書に登場するマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、アブラハムに相当するマシュー、マーク、ルーク、ファン、アブラハムという名前の5人。彼らは神と司祭に仕えるお手伝いの男の子たちで、5人組のボーイズバンド<アルターボーイズ>を組んでいる。5人の日本名は、植木豪、中河内雅貴、田中ロウマ、東山義久、良知真次。
そして彼らの使命は、コンサートが終了するまでに会場内の「迷える魂」の数を、彼らの歌とおしゃべりで「ゼロ」にすること。舞台上手には、ソウルセンサー(魂測定器)が置かれステージの要所要所そのでセンサーが反応して、数字をはじき出す。最初は順調に数字が減っていたが、あるところで止まってしまった。まさか、メンバーたちの魂が迷ってる?

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というなかなかおもしろいストーリー(作/ケビン・デル・アギラ)と音楽(作詞・作曲/ゲイリー・アドラー&マイケル・パトリック・ウォーカー)で構成されたミュージカルである。演出は日本のタップダンスの第1人者、玉野和紀。
歌とダンスがなかなかいいし、ライヴを観ている、と言う設定もうまいと感心させられた。人種差別、移民差別、ゲイ差別という難しい現実の問題を、歌とダンスの中に溶かし込んで明るく解決してみせてくれるので、一時的とは言え気持ちが安らかになる舞台だった。
キャストはみんな素晴らしいけど、特にといえばやはり良知真次か、歌にも芝居にも余裕が合った。
(2009年2月9日 新宿 FACE ※写真はゲネプロより)