ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.08.11]

『踊りに心を紡いで~石井清子舞踊生活70周年記念公演~』

 東京シティ・バレエ団創立40周年記念公演シリーズとして、理事長でもある石井清子の舞踊生活70周年記念公演が行われた。
谷桃子バレエ団を経て、東京シティ・バレエ団の設立に参加した石井清子の功績は、今さら私などが述べることはない。しかし、江東区と提携してバレエの地域密着活動を成功させたことは、特筆すべきである。
第1部は『レ・シルフィード 2008』。黄凱を中心に、すっきりとした石井流の爽快な『レ・シルフィード』だった。型にとらわれることなく、フォーメーションにはあまり深く拘泥せず、リズム感がじつによくコール・ド全員に行き渡っていた。

 第2部はハチャトリアンの「ガイーヌ」より抜粋した『剣の舞』。「ゴパック」「剣の舞」「レズギンガ」などの9シーンが踊られた。
勇壮にして色鮮やか。絵の具をたっぷり塗り込めた絵画のように、鮮烈な動きのイメージが活き活きと浮かび上がる。優しさに溢れた『子守唄』、激しく鋭い 動きが疾風のように駆けめぐる「剣の舞」、民族舞踊のカクテルのような濃厚な滋味み満ちた「ゴパック」、そして全員の力感が漲るフィナーレ「レズギン ガ」。踊りの快楽を洪水のように次々と繰り出す、石井清子舞踊生活70周年の舞台を飾るにふさわしい素敵な作品だった。

第3部は『眠れる森のアレグロ・ヴィーヴォ』。野坂公夫振付で『眠れる森の美女』の音楽を使って、それぞれのシーンを流麗に描いた。
公演後の祝賀パーティで、東京シティ・バレエ団のトップを、現在、理事として活躍している安達悦子に譲ることが石井清子より表明された。
(2008年7月20日、テアラこうとう大ホール)