ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.04.10]

康本雅子の『チビルダミチルダ』

 人気急上昇中の康本雅子の新作『チビルダミチルダ』を観た。
小さな会場ながらソールドアウトでチケットはプラチナになり、追加公演が行われ、開場のだいぶ前から当日券を求めて長い列が出来ていた。他のコンテンポラリー・ダンス公演よりも男性の観客が多く感じられる。

きらきら光るモールで客席と舞台を区切る。上手の天井からも太いグリーンのモールがゆったりと床まで垂らされている。左右にシーサー風のやはりキラキラ 光る犬の切り抜きのようなオブジェ。女の子の空想がはじけたような空間に、おもちゃのキャスター付きバンビを引いて康本が上手より登場する。少し踊って下 手に去るが、そこにはお能や歌舞伎の花道の出入り口みたいになっていて、幕が上がると女3人、男2人のダンサーが四つん這いになってにじり出てくる。それ ぞれ毛皮のベストを着ている。どうやら犬らしい。うさぎや狐なども入り乱れてのダンス。うさぎの運動会や狐に油揚、あるいはお稲荷さんの前に居る狐の面を 着けた踊りなどが展開しエピソード風のシーンもある。

動きは、動物の無垢な動きというか感覚がそのまま現れたようなもので、身体は常にリズミカルに動いていて、ヴァラエティに富んだ音楽とともにダンスシー ンは、じつにナチュラルに流れている。素晴らしいプロポーションの康本のダンスが、上手く例えられないのだけれど素敵だった。
『不思議の国のアリス』ばりに動物たちが自由に活躍し、空想が羽ばたくようなダンスだった。
プログラムも手書きの文字と絵を思いのままに組み合わせて、なかなかおもしろい表現が楽しめる。何度も手にとって眺めた。トレペに印刷されたチラシも人気だそうだ。
(3月13日、アサヒ アートスクエア)