ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.03.10]

バレエ・プレルジョカージュが『受胎告知』を日本初演

 新国立劇場開場10周年記念公演の一環として、コンテンポラリー・ダンスの「未来へ繋ぐトリプル・ビル」が開催された。平山素子の構成・演出で、振付・ 出演が平山と中川賢の『Butterfly』、野坂公夫、坂本信子の振付、演出による『曲線(カーブ)した声』が再演され、アンジュラン・プレルジョカー ジュ振付、美術による『受胎告知』が、日本初演された。
『受胎告知』は、1995年スイス・ローザンヌ歌劇場で初演され、97年にはニューヨークでベッシー賞を受賞している。音楽はステファン・ロイの「クリスタル・ミュージック」とヴィヴァルディの「マニフィカト」が使われている。
出演は、リヨンのコンセルヴァトワールで学び、01年にバレエ・プレルジョカージュに入団した白井紗と、ジュリアード・スクールに留学しトワイラ・サー プやビル・T・ジョーンズのカンパニーで踊り、06年まではバレエ・プレルジョカージュでプリンシパル・ダンサーだった大岩淑子だった。
舞台は、L字型のソファーベンチが置かれているだけ。女性が一人腰掛けている。カメラのシャッター音などが混じり、現実のざわめきが聞こえてくる。もう 一人の女性が登場して、日常の音が遮断されて抽象音となる。二人の出会いがあり、ユニゾンする動きが繰り返される。音楽がマリアを讃歌するヴィヴァルディ の「マニフィカト」に変わる。
余分な装飾はすべて削ぎ落とされた、鋭いシャープな明快な動きで構成されているのだが、よく整えられているので静かで滑らかな女性的なものも感じさせる。
身体にもうひとつの命が宿る、<聖なる時間>が二人の女性の間で共有された、という印象を刻印された舞台だった。
(2月15日、新国立劇場 小劇場)