ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.03.10]

dance today vol. 2のコンテンポラリー・ダンスから

『Fuu---風の音---』
 ソロとグループを含む6つのダンスが踊られた「dance today vol. 2」の公演を観た。

・立花あさみ『Fuu---風の音---』

加藤みや子ダンススペースの中心メンバー立花あさみと、シンガーソングライターのJEHOがコラボレーションした舞台。
まだ暗い舞台をハーモニカだろうか、淡い音を鳴らしながら横切る。再び現れまた消える----風の気ままさを感じさせる上手いオープニングだった。舞台上には椅子がひとつ置かれ、その頭上に白い大きなリングが吊るされている。自然を象徴的に捉えたシンプルな装置である。
音楽は、人間が感じる風の音の様々なものを要素にして、その美しさを表す曲。動きは、音をリズムとしてだけ捉えるのではなく、長さとか音色、響きなどを身体で感じ共鳴して構成されており、なかなか興味深かった。
ラストシーンでは、白いリングが光りを浴びて椅子に座ったダンサーの頭上でゆっくりと回転する。風を抽象画で描いたような美しいものだった。後半やや動きのバラエティが少なくなったのが残念だったが、振付家のユニークな感受性が感じられ印象深かった。

・Mix Nuts 『月の汀』
馬場ひかりが4人の女性ダンサーを使って振付けたもの。
月の光を食べている4人の妖精たちが、月の浜辺で踊っているような情景をじつに手際良く創っていた。スローな動きから、走り回って喜びを表すなど、馬場ひかりならではのリリカルで表情豊かな構成だった。
月の光の中に命の戯れが浮かび上がる、静かな時間を味わうことができた舞台である。

『月の汀』『月の汀』

・北村真実ダンススペース『ハッ!と』
まず、5つの椅子の上に6つのお尻が並んだ。明るい曲にのせてキュッキュッと動き始める。5つの椅子にそれぞれ思い思いの帽子を着けた6人の女性ダン サー。恒例の椅子とりゲームをモティーフにした踊りが軽快に展開し、音楽が突然『春の祭典』になり、激しい動きの中、帽子を失った犠牲者が・・・。今度は 一転してラグタイムの曲が流れて一人一人が椅子を持った踊り、という具合に見事な流れが続く。明るく楽しいイキなステージである。
最後は、はみ出したダンサーが椅子に座った5人のダンサーの膝の上に身を投出し、その帽子が誰かに奪われ投げ捨てられ、思わず「ハッ!と」なる、というオチが着いた。
(2月13日、あうるすぽっと)

『ハッ!と』『ハッ!と』