ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.11.10]

コンテンポラリー・ダンスの公演から

「Dance Selection 2006」では、4つのカンパニーが4つの日本初演作を上演した。

・北村明子『RONDO』
 レニ・バッソの芸術監督の北村明子が振付け、フィラディルフィアのグループモーションダンスカンパニーの6名 のダンサーが踊る。兼古昭彦のライヴ映像と粟津祐介のオリジナルスコアによる作品である。最初はダンサーたちの生理的動きから始まり、映像ともシンクロす る動きやそのシャドーと、指を組んで作ったフレームとフレームの映像が重なったり離れたりして、現実音を使った音楽とともに、ロンドが繰り広げられる。
動きと映像と音楽が過不足なく現れていて、バランスのいい洗練された舞台だった。


・BABY-Q『GEEEEEK』
 11月に大阪で初演される新作から抜粋された作品である。演出、振付は東野祥子。少女の未成熟な感覚から生れた少女趣味的な抒情が、空想された特異な日常世界で解放されていく。偏光した光が浮かび上がらせる美しさが描かれている。

・辻本知彦『緑の愛情』
  舞台の上手に、両手に野の花を持った男が仏像のように座している。烏面を被った男(辻本)が静かにに近寄る。暗いモノトーンの中、座した男へ向けた様々な 感情を表すようなダンスが繰り広げられる。最後に発せられた言葉に意味を込めたダンスで、辻本の集中力と素晴らしい身体が際立った舞台である。

BABY-Q『GEEEEEK』

・黒沢美香『つきわ』Gold Moon
 この月は妹が庭にも清けかりけり、という万葉集の歌が添えられている。
カナダのインド伝統舞踊とコンテンポラリー・ダンスを基本とするMarga(代表ノバ・バータチャリャ)が、黒沢美香の作品を踊った。  舞台の床から光りを受ける透明なブルーの衣裳の女性。もう一人のインド系の女性が現れて、ゆっくりと周りを回る。光の前の女性と重なるように後ろに立っ て、腕を持ち上げたり、下ろしたり、そして二人の女性の動きが、月明りの中で次第に同調していく。周囲を靄のように包み込む微妙な光の中で、二人の女性ダ ンサーの朧げなダンスが美しく感じられた。
(10月15日、シアタートラム)



北村明子『RONDO』

辻本知彦『緑の愛情』

黒沢美香『つきわ』