ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.08.10]

安藤洋子の演出・振付による『モアレ』

ザ・フォーサイス・カンパニーの安藤洋子が、同じカンパニーのアマンシオ・ゴンザレスとアンデル・ザバラとともに、新作『モアレ』を踊った。安藤洋子に は演出・振付・出演がクレジットされ、他の二人は振付・出演となっている。スパイラルのYoko Ando Projectの一貫で、皆川明がヴィジュアルコンセプトと衣裳を担当している。
会場には、ダンスのレッスン場の音声が流れている。三人のダンサーはばらばらに登場し、それぞれまちまちに動き始める。レッスン場の音声はいつの間にか音楽に代わっていた。パフォーマンスのプロセニアムがさり気なく取り去られているのである。
現実と判然と区切られていないステージで、希に交錯することもあるが、ダンサーたちはそれぞれが踊る。それはダンサー三人のそれぞれの個性がごく自然に動きの中に感じられるダンスである。このさり気なさ、ナチュラルな感覚こそが安藤洋子作品の真骨頂なのであろう。
タイトルは『モアレ』。モアレとはフランス語であったか。かつてダンスの雑誌を編集していて頃には、印刷物にモアレが出ないように願っていた。モアレそ のものを嫌っていた。しかし、この自然なダンスの動きの中から浮かび上がる斑紋(モアレ)は、実に美しくかつ魅力的だった。
(7月29日、スパイラルホール)