ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.01.10]

●NBAバレエ団の「ニュー ダンス ホライゾン」公演

 NBAバレエ団がコンテンポラリー・ダンスのシリーズをリニューアルして、「ニュー ダンス ホライズン」と題した公演を始めた。第1回目は、音楽と舞踊の関係を考える、という発想のもとにプログラムを構成している。

プログラム1は、『KULTUS(カルタス)』。執行伸宜の振付である。契り、去りし者へ、永久への祈り、に分けられた「KULTUS=祭儀」をテーマ にしたダンス。まず、踊り、という考えに基づいて、動きの流れから生まれるリズムを尊重したダンス、ということである。確かに、構成された動きの自律性が 印象に残り、どちらかといえば、無言の演劇をみているかのような心持ちになった。

「ダンスシンフォニー」第2楽章

  プログラム2は、ニューヨーク・シティ・バレエからアレキサンドラ・アンサネッリとニラス・マーティンスを招いて、ストラヴィンスキー/バランシンの『ア ポロ』からパ・ド・ドゥ。グルック/バランシンの『シャコンヌ』。2001年にNBAバレエ団が復元した、ベートーヴェンの交響曲第4番にロプホフが振付 けた『ダンスシンフォニー 第2楽章』。20世紀のロシアから生れたプロットレス・バレエとシンフォニック・バレエ。そして、安達哲治がルーシエの曲を使って振付けた『プレイ バッハ』は、田熊弓子とボリショイ・バレエ学校出身のサボチェンコが踊った。

プログラム3は、レナート衛藤の和太鼓演奏に安達哲治が振付けた『IMPULSE(インパルス)』。希薄化する現代の身体感覚を、和太鼓の演奏と共振さ せて、あらたな感覚を体現させようとするコラボレーションであった。今日、こうした舞踊を特化したシンフォニック・バレエあるいは、絶対舞踊といったもの をコアにおいたプログラムを構成することは、集客などの面からも困難があると思われる。しかし、さまざまの工夫を凝らしつつ継続していってもらいたい試み のひとつである。
(11月29日、めぐろパーシモンホール)