ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2004.07.10]

●りゅーとぴあのダンス・カンパニー、Noism04の第1回公演『SHIKAKU』

 金森穣が芸術監督となった新潟のりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)のレジデンシャル・ダンス・カンパニー、 Noism04の第1回公演が、りゅーとぴあ劇場と新宿・パークタワーホールで行われた。

客席をすべてとりはらったホールの空間をいくつかの部屋と通路に区切る。白一色の間仕切りにはあちこちに窓があるから、通路から部屋を覗くことができる。 すべてベージュ一色の衣裳を着け、髪の毛も同じ色に染められているダンサーたちは、部屋や通路に散らばっていて、移動しながら踊る。 観客もチケット代の元をとろうとばかり、ダンサーの後を追い掛け回す。

みんなが動き回って会場はまるで見せ物小屋のよう。時折みかけるパターンだが、大衆芸能で発達してきた仕掛けを用いたパフォーマンスである。 観客も固定椅子に腰掛けてみるより、走ったり歩いたり移動しながらみなければならないので却ってエキサイティングだろう、と思っていると、間仕切りがいっせいに天に上がってしまった。 遮られていた視界が一気に開け、またまたエキサイティング。

ダンスは、会場内に一個の赤いポストが据えられていて、ダンサーはそこでメールを受け取ると、踊りのシステムが同時多発的に変更される。 また、ダンサーの数だけ、アルファベットや数字が記された白い箱があり、それが集められると記号が組み合わされてシステム展開のキーワードにもなるらしい。

ダンサーの全身が一色に統一され、システムに応じて速い動きをみせるので、観客はまるで忍者屋敷にでもいるような感覚を味わう。 現代的でメカニカルな作品だが、最後は赤い糸をたどるとウエディングドレスがあり、未来を暗示して終った。 テロルと宗教性に支配されている現代の様相を映したダンス、というべきか。(6月19日、パークタワーホール)